山崎努&樹木希林が円熟の芸術家夫婦を演じる「モリのいる場所」ポスター、新場面写真公開
2018年3月2日 07:00
時流にも無頓着で「仙人」と呼ばれた熊谷と、夫とともに人生の荒波を乗り越え、ちょっと変わった夫との暮らしを楽しんでいる妻・秀子。庭と生き物を愛した画家夫婦の結婚52年目(昭和49年)の夏の1日を「横道世之介」の沖田修一監督・脚本で描く。
ポスターからは、94歳にして、「まだまだ生きるもっと描く」と意気込む夫と、変わり者の夫を笑顔でまるごと受け入れる妻、秀子のおおらかさが感じられる。場面写真は、書を書くモリのために硯で墨をする秀子、夫婦で庭の生き物を愛でる場面、モリは庭へ冒険へ、秀子は洗濯という朝の光景、夫婦で囲碁というあたりまえの日常の大切さが伝わってくるシーンを切り取った。
山崎が演じる画家モリ(熊谷守一)は94歳。猫、アリ、カマキリ、アゲハチョウ、オニユリなど、毎日、庭のちいさな生命たちを飽くことなく眺め、絵を描いてきた。50歳を過ぎてからその才能が認められ、暮らし向きは良くなったが、相変わらず周囲の期待通りには筆が進まない。樹木が演じる妻・秀子は76歳。生活のことなどどこ吹く風の夫と世間の間に立ち、毎夜アトリエに送り出す。加瀬亮、吉村界人、光石研、青木崇高、三上博史、吹越満、池谷のぶえ、きたろう、林与一ら、日本映画を支えるあらゆる世代の実力派たちが結集して、熊谷家の1日を賑わせる。
現在、熊谷の大規模回顧展「没後40年 熊谷守一 生きるよろこび」東京国立近代美術館で開催中(3月21日まで)のほか、小説版「モリのいる場所」小林雄次著(朝日文庫)が4月7日、「モリカズさんと私」(文藝春秋)3月8日、「コロナ・ブックス「熊谷守一」」(平凡社)が5月下旬発売予定だ。映画「モリのいる場所」は5月、シネスイッチ銀座、ユーロスペース、シネ・リーブル池袋、イオンシネマ他全国で公開。