「キル・ビル」ショックの余波でタランティーノ監督が15年前の失言を謝罪
2018年2月12日 13:00

[映画.com ニュース]鬼才クエンティン・タランティーノ監督が苦境に立たされている。「キル・ビル」の主演女優ユマ・サーマンが、同作のスタント撮影中の事故で負傷したことを暴露したことで、メガホンをとったタランティーノ監督に批判の目が向けられた。そんな中、ロマン・ポランスキー監督による未成年強かん事件に関する2003年の発言が取りざたされ、タランティーノ監督はこのほど被害者のサマンサ・ゲイマーさんに謝罪した。
タランティーノ監督は03年に「ハワード・スターン・ショー」に出演した際、1977年にポランスキー監督が当時13歳だったゲイマーさんを強かんした事件について「未成年とセックスしただけで、レイプではない」と発言。ジェイマーさんは「ただの13歳ではなく、13歳の遊び人」「彼女が望んでいたこと」などと述べていた。
この発言が再び注目されたのは、サーマンが2月3日(現地時間)付けの米ニューヨーク・タイムズ紙で、ワインスタインからの性的被害を告白するとともに、「キル・ビル」撮影中の事故とプロデューサー陣による事故のもみ消しを暴露したことがきっかけ。当のジェイマーさんは2月6日、ニューヨーク・デイリーニューズに「怒っていないけど、彼(タランティーノ)が自分は間違っていると気づいてくれたら気分が和らぐかもしれない。私は大丈夫だから、誰かが代わりに怒る必要はない」と語った。
米IndieWireによれば、タランティーノ監督はジェイマーさんに電話で謝罪したうえで、声明を発表。「サマンサ・ジェイマーさんに関しての傲慢な発言について、この場をお借りして謝罪します。15年経ったいま、自分が間違っていたかに気づきました」と述べ、「ハワードがポランスキーの話を持ち出したとき、私は議論を盛り上げるため、おろかにも悪魔の支持者を演じました」と反省。「ジェイマーさんの気持ちを配慮しておらず、心から申し訳なく思っています。ジェイマーさん、私は無知で、無神経で、すべてにおいて間違っていました」と謝罪した。
タランティーノ監督が現在準備中の新作は、奇しくもポランスキー監督の元妻で女優のシャロン・テートさんがチャールズ・マンソン率いるカルト集団「マンソン・ファミリー」に殺害された事件が題材。同作のほか、タランティーノ監督のアイデアをもとに、映画「スター・トレック」シリーズ第3弾の企画開発も進められており、これら2作への影響が懸念されている。
なお、タランティーノ監督はジェイマーさんへの謝罪と前後して、サーマンの事故について「私のキャリアの中で最大の後悔」と米Deadlineの取材に対してコメント。「キル・ビル」のプロデューサーの1人、ローレンス・ベンダーも、「『キル・ビル』の撮影現場で起きた事故で、何年にもわたりユマが身体的にも感情的にも痛みに苦しんでいたことは誠に遺憾です」と米ハリウッド・レポーターで声明を発表し、「ユマや他の人々に一切隠し事はしておらず、いかなる隠滅行為にも加わっていません」と弁明した。
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