伝説の舞台「焼肉ドラゴン」映画化!真木よう子×井上真央×桜庭ななみ×大泉洋が結集
2018年1月17日 05:00

[映画.com ニュース] 2008年に日本の演劇賞を総なめにした伝説の舞台「焼肉ドラゴン」が映画化され、演出を務めてきた鄭義信が初監督作としてメガホンをとっていることが明らかになった。
「月はどっちに出ている」で第67回キネマ旬報ベストテン脚本賞、「愛を乞う人」で日本アカデミー賞最優秀脚本賞、「血と骨」で第78回キネマ旬報ベストテン脚本賞など、数多くの映画作品で脚本賞に輝いてきた鄭は、演劇界でも「たとえば野に咲く花のように」「パーマ屋スミレ」などの脚本・演出を手がけている。そんな鄭にとって、満を持してともいえる初監督作に真木よう子、井上真央、桜庭ななみ、大泉洋という豪華キャストが結集した。
第43回紀伊國屋演劇賞で個人賞、第16回読売演劇大賞で大賞・最優秀作品賞を含む4冠に輝いた同作の舞台となるのは、高度経済成長期の真っただ中、万国博覧会が開催された1970年代。関西の地方都市の一角にある小さな焼肉店では、故郷を奪われた家族6人が時代の波に翻ろうされながらも泣いて笑って、力強く生きる姿をユーモアに満ちた描写、印象的なセリフとともに描く。
小さな焼肉店「焼肉ドラゴン」を営み、「たとえ昨日がどんなでも、明日はきっとえぇ日になる」が口癖の龍吉と妻・英順のもとで育った三姉妹を演じるのが真木、井上、桜庭だ。長女・静花役の真木は、映画化に際し「ワクワクした感覚と、舞台とスクリーンの違いがどうなるのかといった懸念が少しもなかったかというと嘘になります」と胸中を吐露。それでも、「映像化した作品は私の期待を遥かに超えており、このような歴史的事実が確かに存在したことを、より多くの方に認識して欲しい」と思うようになったという。
実写映画としては「白ゆき姫殺人事件」以来4年ぶりの出演となる井上は、次女・梨花に息吹を注ぎ込んだ。「国境や血の繋がりを越えて、運命を共にすると決めた家族たちの覚悟や、理屈ではない愛がたっぷりと詰まった作品です。早く皆さんのところにお届けできることを私も楽しみにしています」。三女・美花役の桜庭は、完成した作品を見たときに「心の内に暗いものを秘めている一人ひとりが、明るく力強く毎日を送っている姿、家族の姿に感動した」と明かしている。
静花への思いを胸に秘めたまま梨花と結婚する「焼肉ドラゴン」の常連客・哲男に扮した大泉は、舞台版の大ファン。それだけにオファーを受け、光栄な気持ちとともに緊張感もあったそうだが、「キャラクターの誰しもが心に傷を抱えながらも、国や血の繋がりを超えて団結し、明日を強く生きていこうとする姿を、日本と韓国の役者陣が鬼気迫る表情や演技で見せる作品になったと思います」と手応えをにじませている。鄭監督は、日韓だけでなく他国でも大きな反響があったとし、「どこの国に行っても、『焼肉ドラゴン』の劇中の家族たちを、あたかも自分の家族であるかのように迎え入れてくれる観客たちに深く感謝するとともに、新たに映画の中で息づき始めた家族たちも愛してくださるよう、切に祈っております」とコメントを寄せた。
「焼肉ドラゴン」は、初夏に全国で公開。
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