樋口真嗣総監督×「あの花」岡田麿里がTVアニメでタッグ!ドラゴンと少女の物語
2017年12月3日 16:20
[映画.com ニュース] 大ヒット作「シン・ゴジラ」の総監督を務めた樋口真嗣が12月3日、千葉・幕張メッセで開催中の「東京コミックコンベンション2017」(通称:東京コミコン2017)で最新作発表会を実施した。
新作は完全オリジナルのテレビアニメ「「ひそねとまそたん」。航空自衛隊の岐阜基地に勤務する新人の甘粕ひそねと、ドラゴンのマソタンの交流を描くハートフルな物語で、ひそねが、基地に秘匿された戦闘機に擬態するドラゴン(OTF:変態飛翔生体)に選ばれ、ドラゴンに乗り込む飛行要員がとなるという内容だ。「日本沈没」や「ローレライ」「のぼうの城」など、VFX満載の大作映画を大ヒットさせてきた樋口総監督は、「昨年の『シン・ゴジラ』で、映画の可能性を自分の中で突き詰めてしまった部分がある。新しい可能性や物語を考えると、アニメーションという形態だった」と語った。
本作の着想は、「日本沈没」の取材のため成田空港で離陸する飛行機を撮影していた時、珍しい飛行機を撮影しに来た人たちに出合ったこと。「この人たち、違う飛行機が来たらどうするんだろう?」と思ったこと、さらにコスプレに興味をもっていたことから、「日本に昔から不老不死のドラゴンがいて、週に1回は空を飛ばないといけない。だけど、日本の上空を飛んだらばれてしまうから、どうやって隠すか。それならコスプレだ。ドラゴンが戦闘機のコスプレをして飛んだらどうだろう」と、アイデアが膨らんでいったことを明かした。
そして、本作の脚本を手掛けるのは「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」の岡田麿里。樋口総監督とは別の企画が頓挫してしまったが、一緒に作品をつくりたいということで、樋口総監督がアイデアを話したところ、賛同を得られたという。「岡田さんに引っ張ってもらっていた。アニメーションというフィールドに引き込目れたという一番大きな理由かもしれない。そこからいろんなことが広がっていった」と振り返った。
発表会には、キャラクター原案を担当した漫画家でキャラクターデザイナーの青木俊直、モンスターコンセプトデザインを手がけたコヤマシゲト(「HEROMAN」「交響詩篇エウレカセブン」)、プロデューサーの南雅彦(ボンズ)も出席。樋口総監督は、「青木さんやコヤマさんの絵に惚れたというのが大きい。この絵が動いたらすごいいいだろうな、こういう話があって何で表現するのが一番いいのかなと考えて、手描きのアニメーションがいいんじゃないかと思い当たった」とそうそうたる顔ぶれを集めた経緯を説明。以前から面識があったいう南は、岡田を介して樋口総監督とのコラボが決まったことを明かし、「やってみようとなったのが4年前」と、長年温めてきたプロジェクトであることを明かした。
樋口総監督が企画開発中に描いたデッサンをはじめ、自衛官の制服を着たひそねと、大きな目が印象的案グレーのドラゴン、マソタンのコンセプト画がお披露目された。ボディテレビアニメとしては珍しく、声優の録音を先に行うプレスコ手法がとられ、すでに3、4話の収録が終わっているという。
アニメーション制作はボンズ。監督は小林寛が務めるほか、キャラクターデザインに伊藤嘉之、メインメカニックデザインに河森正治らが名を連ね、音楽を岩崎太が担当する。放送は2018年開始予定。