坂本龍一「SAMURAI賞」刀型トロフィーを振り回す!「戦メリ」撮影秘話も明かす
2017年11月1日 19:25

[映画.com ニュース] 日本を代表する音楽家・坂本龍一を追ったドキュメンタリー映画「Ryuichi Sakamoto: CODA」が11月1日、第30回東京国際映画祭の特別招待作品として上映され、坂本、監督を務めたスティーブン・ノムラ・シブルがTOHOシネマズ六本木ヒルズでの舞台挨拶に出席した。
この日は、東京国際映画祭が“時代を切り拓き続けてきた映画人”に贈る「SAMURAI賞」の授与式も実施。同賞に輝いた坂本は、フェスティバルディレクター・久松猛朗氏から受け取ったトロフィーをしげしげと眺め、「東京国際映画祭も30回ということで、長く続いていますよね。おめでとうございます。ドキュメンタリー映画を今日上映してくださるそうで、ありがたいことです」と破顔した。
刀型のトロフィーを振り回したり、尖端に手を当て痛がる素振りなど、ひょうきんに喜びを表現して場内を沸かせた坂本。「よく見ると刀の柄も書いてありますね」と切り出し、大島渚監督作「戦場のメリークリスマス」の撮影秘話を明かす。「思い起こすと、僕が映画に関わった最初の作品で、(自身が)役者として居合いをするシーンがあります。撮影の前に8回ほど居合いの道場に通い、文字通り付け焼き刃ですが、刀を振り回すのを習いました。それを思い出しました」と振り返った。
続けて「撮影現場でも、本当の刀ではないですが皆で振り回して、刀が曲がっちゃったり。こういうのを持つと、振り回したくなる(笑)」と述べ、「そのころは今のように環境意識も高くなく、南太平洋の島の木をバッサバッサと切っていた。35年前の話です。今は森林保全の活動をしています。そんな思い出が数々とよぎる」と大笑い。「SAMURAIという名に私がふさわしいか大いに疑問ですが」と首を傾げながらも、「頂いて、本当にありがとうございました」と頭を下げた。
映画は2012年から5年間にわたり坂本に密着取材を敢行し、14年7月の中咽頭がん罹患の公表などを交えながら、坂本の音楽的探求と変遷を真正面からとらえた。坂本は「自分の素顔をさらけだすとか、そういう趣味はないのです」としたうえで、「では、なぜこの映画を作ることを承諾したかというと、ひとえにシブル監督の人柄。日本人以上に腰が低く、丁寧で、謙そんしている。この人だったら任せていいという気持ちになった」と振り返る。撮影を追うごとに“やめ時”が見当たらなくなったそうで、「いろいろなことが起こりすぎて、収集がつかなくなった(笑)。そのうち僕が病気になって、監督は『しめた。ドラマチックに撮ってやろう』と思ったに違いない」と視線を寄越し、シブル監督は「そんなことないです!」と慌てていた。
最後に、「映画音楽とは?」と問われた坂本。「映画にルールはない」と毅然と話し、「必ずしも映画にとって音楽は必要ではない。なくてもいいし、あってもいいんです。もちろん監督が決めるものですが、映画が必要するかどうか。つくっているうちに映画が主人公になるんです。必要とされる場所に、すとんと必要な音楽があれば、映画音楽の役割りとして最高に幸せなケースだと思う」と信念を明かしていた。
「Ryuichi Sakamoto: CODA」は、11月4日から角川シネマ有楽町、YEBISU GARDEN CINEMAほか全国で公開。
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