ナポリの露天商の親子を起用した映画 「現実とフィクションの融合ができた」と監督が自信
2017年10月27日 21:45

[映画.com ニュース] 第30回東京国際映画祭のコンペティション部門に出品されたイタリア映画「ナポリ、輝きの陰で」が10月27日、東京・TOHOシネマズ六本木ヒルズで上映され、来日したシルビア・ルーツィ監督、ルカ・ベッリーノ監督、映画に出演したシャロン・カロッチャ、ロザリオ・カロッチャが会見した。
ぬいぐるみの露天商で家族を養う男は、娘の歌の才能に希望を見出し、歌手として売り出そうと懸命になる。ナポリ近郊の低所得者層の地域に生きる人々に密着した物語。ドキュメンタリーの手法を生かし、リアリズムとフィクションを交えて父の思いを活写する。
実際に露天商として生計を立てているロザリオと、露天の前で歌声を披露していた娘のシャロンが、物語の中心人物を演じ、母親、兄弟姉妹も出演。ロザリオが所有する店舗と自宅でも撮影が行われた。脚本も担当したルーツィ監督はキャスティングについて「重要なポイントです。現実の要素をフィクションに取り込み、物語の中で違うものに変えることで出てくることを見せたかった。家族が機能していないということを描くには、現実の親子でなくてはならなかった。真実を映しているのか、嘘を描いているのかと思わせるために必要なことなのです」とこだわりを明かす。
ベッリーノ監督は「ラフなスクリプトを基に、シルビアと一緒に脚本を書き、長い時間をかけて、彼らを見つけました。露天商であり、ロザリオがシャロンを4歳からビデオを撮っているということなど、彼らの現実の要素を映画に取り入れました。毎日物語の順に撮影をしていき、セリフは2人からのアイデアを取り入れることもありました。最終的に我々が求めた現実とフィクションの融合ができたと思います」と作品の出来に自信を見せた。
シャロンは「父と一緒に演技をすることは素晴らしかったです」「(劇中のシャロンは)自分自身とは全く違うキャラクターとして、女優として挑みました。泣くことも訓練しました」と初めての演技経験を振り返り、ロザリオは何度もテイクを繰り返したという。ベッリーノ監督は「ロザリオはとても謙虚ですが、撮影を始めると、普通の役者ができないようなことをしました。何度も自分でストップをかけて、もっと良くできると言ったのです」と明かし、観客を驚かせていた。
第30回東京国際映画祭は、11月3日まで開催。
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