前田敦子&三浦透子&尾野真千子、柄本佑を取り巻く“ファム・ファタルな女たち”に
2017年9月13日 11:00
[映画.com ニュース] 冨永昌敬監督と柄本佑がタッグを組み、編集者で作家の末井昭氏のエッセイを映画化する「素敵なダイナマイトスキャンダル」が、2018年3月に公開されることが決定し、あわせて前田敦子、三浦透子、尾野真千子が出演していることがわかった。柄本が演じる伝説の編集長・末井昭を取り巻く“ファム・ファタルな女たち”を熱演している。
本作は、白夜書房の取締役編集局長を長らく務めたことでも知られる末井氏の生い立ちをベースにした青春グラフィティ。幼少期に実母が隣家の息子と不倫の末にダイナマイト心中するという衝撃の体験をした末井は、高校卒業後に就職した工場を辞めると上京し、ひょんなことからエロ雑誌業界の世界に入る。やがて写真家・荒木経惟とのコンビで80年代を席巻した伝説のエロ雑誌「ウィークエンド・スーパー」「写真時代」などの名編集長となっていく。
発表されたキャストの役どころは、前田が末井の天然な妻・牧子、三浦が電波な愛人・笛子に扮し、尾野がダイナマイトで“爆発”した母・富子を演じている。「母親は尾野真千子さん、奥さんは前田敦子さん、愛人は三浦透子さん。改めて名前を並べてみると驚くほど贅沢だったんだと実感します」と胸中を吐露した柄本は、撮影現場では「主に前田さん、三浦さんと一緒でした。尾野さんは爆発してしまっていたので」と述懐。「前田さんのあっけらかんとした明るい軽さと三浦さんの飄々(ひょうひょう)とした佇まいは見ていてとても心地良かったです。そして母親が尾野真千子という、いやあ、ホント贅沢な現場でした」と思いの丈を述べている。
牧子役の前田は、主人公・末井を「自由な夢を持った自由な男」と言い表して「私が演じる牧子は、のちに夫になる彼を『はいはい』とたしなめつつもおもしろがって支えています。浮気をされても嫌味をいうだけ(!?)という包容力があって、自立している素敵な女性だと思いました」と話す。また、初共演となった柄本に対して「もともと俳優の先輩としてもすごく尊敬していました。佑さんの飄々(ひょうひょう)とした中にあるかわいらしい感じが、この末井昭役にぴったりだと思いました」と厚い信頼を寄せている。
「撮影が始まってからも常に新しいアイデアに溢れ、くるくる変わっていく現場がただただ楽しかったです」と充実の日々を振り返る三浦。「笛子さんの人生を思うと胸が苦しくなるけれど、実際に書かれた当時の編集後記の中にいた彼女は、愛嬌たっぷりで追いかけると逃げてしまいそうな不思議な魅力を持った女性でした。皆さんにもそれが伝われば嬉しいです」と秘めた思いを告白する。「実話とは思えない母」を演じた尾野は、「そんな実話とは思えない台本を読んで、出来上がりが想像できず不安もありました」と撮影当時の心境を明かし、「でも出来上がりを見たときこんな伝え方があったのかと自信を持ちました」と胸を張っている。
「素敵なダイナマイトスキャンダル」は、18年3月から東京・テアトル新宿ほか全国で順次公開。