コメディ映画のレジェンド、ジェリー・ルイスさん死去
2017年8月21日 19:00

[映画.com ニュース] 1950~60年代のハリウッドで一時代を築き、「底抜け」シリーズで知られたコメディ俳優で映画監督のジェリー・ルイスさんが8月20日朝(現地時間)、米ラスベガスの自宅で老衰のため死去した。享年91歳だった。
米Deadlineによれば、家族に看取られて息を引き取ったという。パブリシストは「地元の病院にたびたび入院していましたが、自宅に戻り、ニューヨークとラスベガスで舞台に立つ計画を立てていました」と話している。
1926年3月16日にニュージャージー州ニューアークで生まれたルイスさんは、両親がエンターテイナーだったことから、5歳の頃から芸能活動をスタート。46年に出会ったコメディアンの故ディーン・マーティンさんとのコンビで、カジノでのショーをはじめ、ハリウッド映画で絶大な人気を獲得。56年にマーティンさんと袂をわかった後、監督としても才能を開花させた。監督・脚本・主演作「底抜け大学教授」は、エディ・マーフィ主演で「ナッティ・プロフェッサー クランプ教授の場合」「ナッティ・プロフェッサー2 クランプ家の面々」としてリメイクされ、ルイスさんは製作総指揮を務めた。16年のクライムサスペンス「ダーティー・コップ」が、最後の映画出演となった。
60年代末~70年代初めには、南カリフォルニア大学の映画学部で教鞭をとり、教え子の中にはジョージ・ルーカス、スティーブン・スピルバーグ、ロバート・ゼメキスら後のヒットメーカーたちがいた。フランスをはじめ、ヨーロッパでの評価も高く、06年に迎えた80歳の誕生日には、フランスのレジオンドヌール勲章(コマンドゥール)が授与された。
アメリカでは、難病の筋ジストロフィーの研究を支援する慈善活動でも有名。55年から56年間にわたり、毎年9月第1月曜の祝日レイバー・デーに放送されるチャリティ番組で司会を務め、募金の総額は25億ドル近くに上ったという。この分野での貢献が認められ、77年にはノーベル平和賞の候補者となった。
ルイスさんの出演作「キング・オブ・コメディ(1983)」でメガホンをとったマーティン・スコセッシ監督は、「ジェリー・ルイスは巨匠であり、素晴らしいエンターテイナーであり、素晴らしい芸術家であった。そして、立派な人間だった」と、米ハリウッド・レポーターに追悼メッセージを寄せた。多くのセレブリティがTwitter上で哀悼の意を示しており、ジム・キャリーは「紛れもない天才で、計り知れないほど恵まれたコメディの神。彼がいなければ、いまの僕はいなかった」とツイートした。
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