リリー・ジェームズ、「ベイビー・ドライバー」独自の撮影を明かす「動きを全部音楽に合わせた」
2017年7月10日 13:30

[映画.com ニュース]「シンデレラ」や「高慢と偏見とゾンビ」で知られる英女優リリー・ジェームズが、「ワールズ・エンド 酔っぱらいが世界を救う!」の監督や「アントマン」の製作総指揮・原案・脚本で知られるエドガー・ライトと組んだ「ベイビー・ドライバー」について語った。
事故の後遺症で耳鳴りに悩まされているが、音楽に身をゆだねて外界から遮断されると、天才的な運転技術を発揮する「逃がし屋」の青年ベイビー(アンセル・エルゴート)。ある日、美女デボラ(ジェームズ)と運命的な出会いを果たしたベイビーは足を洗うことを決意するが、組織のボス・ドク(ケビン・スペイシー)におどされ、無謀な強盗に手を貸すことになる。米映画批評サイト「Rotten Tomatoes」では97%(7月7日時点)の高評価を記録している。
主人公ベイビーの人生を変えるヒロイン、デボラを演じたジェームズは「エドガー(・ライト)の作品は以前から大好きだったから、この話をもらったときには、すごくワクワクしたの」と振り返り、「この役は絶対にほしいと思ったから、演じることができてすごくうれしかった。こんなクールな映画に出ることはもうないんじゃないかしら」とまで言い切る。
脚本との出合いも、これまでにはない新鮮なものだった。「今回面白いと思ったのは、脚本をもらうと同時に、映画のサウンドトラックも聞けたことよ。アプリの中で、ヘッドホンをつけた子どもの絵が描いてあるボタンをクリックするようになっていたの。シーンの最初にそれをクリックすると、そのシーンの音楽が聞けるわけ。そのうえ、エドガーはシーンごとの音響効果まで付けてくれていたの。シーンがページから飛び出てくるようで、すごくダイナミックだったし、物語の世界に完全に入り込んでしまったわ」。
音楽を最重視するライト監督らしい粋な計らいだが、ジェームズは「最初に脚本を読んだときに聞いた曲と、完成した映画に使われている曲はほとんど変わってないわ。エドガーは最初から、この作品に対するアイデアやビジョン、そしてストーリーをしっかりと持っていたということね。音楽が革新的な形で使われている点も、私がこの作品に出たいと思った理由の1つなの」とライト監督の手腕を絶賛する。
撮影においては「そのシーンの音楽がイヤホンから聞こえてくるから、音楽に合わせて入っていって、ビートに合わせてアクションをしたわ。私はミュージカル映画が大好きなんだけど、ちょっとそういう感じもあったわね」といい、「アトランタにあるバッカナリアというレストランで、ベイビーとデボラがデートするシーンが最高だった。音楽に合わせて、カメラがまるで踊るようにぐるぐる回るの。2人ともしゃべらないんだけど、乾杯したりする動きが全部音楽に合っているのよ。座ったまま、ちょっとしたダンスをしているような感じだったわ。アクション・シークエンスを撮影しているときにも、振付師(ライアン・ヘフィントン)は立ち会っていたわ。シートベルトを締める音も銃声もビートに合っていた。細部まで気が配られていて、とにかくすごくクールなのよ」と本作ならではの舞台裏を明かした。
「デビー(デボラ)は、心を躍らせるようなことが何一つない生活をしているの。子どものときから何事につけ2番だったんじゃないかな、と思わせるところがあるわ。食堂で働いていて、ダブルシフトしなきゃいけないこともある。それでも彼女は自由な精神を持った夢想家でもあって、今の生活から逃げ出して旅に出ることを夢見ている。そういう点で、ベイビーと通じ合うものがあるのよ」とキャラクターの内面を解説したジェームズは、「アメリカ人として違和感を抱かれないようにしたかったから、それが1番苦労した点ね。それから、デビーに力強い命をもたせたること。生き生きとして、リアルで存在感のある女性だと感じてもらえるようにね」と語った。
「ベイビー・ドライバー」は、8月19日から全国公開。
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