仲代達矢、次回作では「悪役やりたい」も小林政広監督の提案は拒否!? その役とは…
2017年6月3日 15:10
仲代と小林監督は2010年「春との旅」、12年「日本の悲劇」に続く3度目のタッグ。認知症を患った往年の大スター役の仲代は、観客からの「ブラボー!」の歓声とスタンディングオベーションに迎えられ、「万雷の拍手、ありがとうございます。出演者でありながら、素敵な映画ができたと思っている。そう思ってくれるお客さんが1人でもいてくれたらうれしい」と満面の笑みを浮かべた。
小林監督は、「仲代さんに突き返されるのを覚悟で脚本を書いた。やっていただけると決まった後に文化勲章をもらったので、こういう芝居をしてもらっていいのかとも思ったが楽しく撮影できた」と苦笑い。「いろいろな解釈の仕方があると思う。何かひとつでも心に残る映画になってくれれば」と訴えた。
中でも台本で10数ページに及ぶラストシーンの「リア王」のセリフ回しは圧巻で、阿部が「台本を開いた時に無理だと思ったが、これほど長いセリフをひとつも間違えることなくしゃべられた姿に感動した。僕も将来に明るい希望が見えた」と感嘆するほど。仲代の娘役を演じた黒木も、「ほぼ仲代さんとご一緒のシーンで、ぜいたくな経験で幸せな時間を過ごすことができた」と最敬礼だ。
舞台では何度もシェークスピア劇を演じている仲代だが、「リア王」は経験がなく、映画でも同作をベースにした黒澤明監督の「乱」(1985年)に続く2度目。それでも、「すごく長いので、これで最後にしようかな。でも万が一、力があったらやろうと思っている」とさらなる意欲を見せた。
映画の公開を記念し、84歳でツイッターも始め「独居老人なのに、いきなり友達がたくさんできた」とおどけた仲代。小林監督との4度目にも前向きで「次は、すごい悪役はどうかな?」と提案したが、小林監督は「撮影が終わって打ち上げで、『シャイニング』のジャック・ニコルソンみたいな役はどうですかと話したら、すごくイヤな顔をされた」と暴露。仲代は、「あれはちょっと怖すぎるでしょ。でも、悪役、やりたいですね」と意気軒高だった。
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