リア王

劇場公開日:

解説

シェークスピア悲劇「リア王」の本格映画化作品。監督・脚本は「ハムレット(1964)」のlグリゴーリ・コージンツェフ、撮影は、やはり「ハムレット(1964)」のヨナス・グリツィウス、美術はコージンツェフとの名コンビ、エフゲニー・エネイ、衣裳はシモン・ヴィルサラーゼ、音楽はディミトリ・ショスタコヴィッチ、演奏はレニングラード国立フィルハーモニー・オーケストラが各々担当。出演はエストニヤ民族共和国の舞台俳優のユーリー・ヤルヴェト、マヤコフスキー劇場の新進女優ワレンティナ・シェンドリコワ、「ハムレット(1964)」のエルザ・ラジン、「赤いテント」のドナタス・バニオニス、ガリーナ・ボルチェック、オレーグ・ダル、K・セブリスなど。日本版字幕は清水俊二。黒白、ワイドスコープ。

1970年製作/ソ連
原題:King Lear
配給:松竹映配
劇場公開日:1972年2月5日

ストーリー

時は中世、舞台はイギリス、老王リア(Y・ヤルベット)は隠居生活に入るため領地を配分しようと三人の娘を集めた。長女ゴネリル(E・ラジン)、次女リーガン(G・ボルチェック)、そして末娘のコーディリア(V・シェンドリコワ)である。そしてまだ独身のコーディリアの婚儀をあわせてとり決められようとしていた。候補者にはバーガンディ公爵、リア王の忠臣ケント伯、グロスター伯(K・セブリス)、そしてフランス王がいた。ゴネリルとリーガンは、巧言をつくして、王の機嫌を取ったが、コーディリアは真実の心を打ち明け、領地などは欲せず、ただ王の側で仕えたいのだと言った。この言葉は老いた王を怒らせ、コーディリアは勘当された。その純粋なコーディリアにひかれたフランス王は彼女を后として迎えた。しかし、領地を自分のものとした二人の姉は、用なしになった王を虐待し、荒野へと追い払った。ここに至って愛と憎しみの恐ろしい真実を見たリア王はたけり狂う暴風雨にさらされて、悲惨な姿に変貌していった。その頃グロスター家では、財産をすべて自分のものにしようと企む次男のエドマンドが、計ってグロスター伯に兄エドガーへの殺意を抱かせた。奸計にはまったグロスター伯は、エドガーを追う途中気の狂いかけたリア王に会い、その哀れな姿に同情し、リアを連れて帰った。ところがそれを知った、今では領主のリーガンの夫コーンウォール公の怒りにふれ、グロスターは両眼をえぐられた。グロスター伯は自殺を計るが、エドガーに救われ、そこで事のカラクリを知った。一方、二人の姉の父に対する虐待を知ったコーディリアは、父を救おうと、フランス軍を引き連れ、ドーバーを渡ってイギリスへ乗り込んだ。が敗れ、コーディリアは無惨にも城壁に吊るされた。目の裂けんばかりに娘の死体を凝視したリア王は悲痛な絶叫とともに悶死した。--事態の真相を知ったアルバニー公はエドマンドを反逆罪とみなし彼と決闘する部下をつのった。そこに防具で顔を隠したエドガーが名のりで、一気にエドマンドを倒した。倒れたエドマンドにかけよったのは愛人ゴネリルであった。狂ったゴネリルはエドマンドに対するリーガンへの嫉妬心から彼女を毒殺し、自らも命を絶った。--今では嘘のように静まりかえった大地。リア王とコーディリアの遺骸を運ぶ列が静かにつづく。

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