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ソフィア・コッポラ新作「The Beguiled」は詩的な映像美に満ちた意欲作

2017年5月29日 13:00

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華やかな「The Beguiled」チーム
華やかな「The Beguiled」チーム
(C)KAZUKO WAKAYAMA

[映画.com ニュース] 第70回カンヌ国際映画祭も終盤を迎えた5月24日(現地時間)、ソフィア・コッポラの「The Beguiled(原題)」がコンペティション部門で公式上映された。コッポラ監督を囲んでコリン・ファレルニコール・キッドマンキルステン・ダンストエル・ファニングら華やかなキャストがレッドカーペットに顔を揃えた。

本作は、ドン・シーゲルが1971年にクリント・イーストウッド主演で映画化した「白い肌の異常な夜」のリメイク。だが、コッポラ自身はリメイクという言葉は使いたくないようだ。確かにオリジナルがイーストウッド扮する主人公の視点だったのに対し、本作は主人公を取り囲む女性陣の視点から描かれている。
南北戦争の負傷兵が森のなかで、女性ばかりの寄宿舎に運ばれ手当を受けるうち欲望の対象となり、女性たちの関係性が変化していく物語。心理ドラマにホラー的な要素、ときにユーモアも混ざったこれまでのコッポラ作品とは一味異なる趣向である。と同時に、美術や衣装などが壮麗で、詩的な映像美に満ちている。カンヌのレッドカーペットは鮮やかな衣装をまとった女優陣たちの競演が目を楽しませてくれた。
ちなみに、オリジナル作品に出演したイーストウッドはカンヌを訪れ、映画祭恒例のマスタークラスの講座を開催。半世紀にわたるその映画人生について語った。
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アウト・オブ・コンペティションに招聘された環境保護を訴えるドキュメンタリー「不都合な真実2:放置された地球」では、前作「不都合な真実」に続き出演した元アメリカ合衆国副大統領のアル・ゴア氏が、ボニー・コーエンジョン・シェンク両監督とともにカンヌを訪れ、会見を開催。地球温暖化をはじめ環境問題に取り組むことの緊急性を訴えた。上映にはフランス前環境相のセゴレーヌ・ロワイヤル氏も出席し注目を集め、環境問題に対する世界的関心の高さを伺わせた。

映画祭70周年を迎えた今年は、カンヌゆかりのゲストを招聘した70周年の特別セレモニーも開催。クエンティン・タランティーノラース・フォン・トリアーこそいなかったものの、これまでの受賞者が世界から結集したその顔ぶれは、まさに映画史を彷彿させるような感慨深いものだった。(佐藤久理子)

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