永瀬正敏、カンヌで涙…河瀬直美「光」上映でスタンディングオベーション
2017年5月24日 13:40

[映画.com ニュース] 現在開催中のカンヌ映画祭で、現地時間の5月23日、日本からコンペティションに入選した「光」が上映され、約10分にわたる熱いスタンディングオベーションで迎えられた。日本からカンヌを訪れたのは、河瀬監督と主演の永瀬正敏、水崎綾女、藤竜也、神野三鈴の5人。エンドロールが流れるなか、会場に熱い拍手が沸き起こると、全員が涙目となって立ち上がった。
とくに永瀬は男泣き状態で、感極まった様子で河瀬監督と抱擁を交わした。上映後、いまだ興奮が冷めやらない様子の永瀬は、「格好よく立ち上がろうと思っていたんですが、だめでしたね(笑)」と照れ笑いを浮かべ、海外の観客に温かく迎えられたことに対して、「本当にありがたいです。最高です」と発言。河瀬監督は、「混沌とした時代に表現をするときに、必死になって光をみつける物語を作ることができた。そこで観客のみなさんに、今の時代だからこそいいと言って頂けることによって、わたしたちにとって何か未来があるのではないかと感じることができました」と語った。
「光」は、永瀬扮する才能豊かなカメラマンが弱視になり、日々目が見えなくなっていくなか、視覚障がい者に向けた音声ガイドを作る女性(水崎)に出会い、生きる力を取り戻していく物語。上映に先立って行われた記者会見で河瀬監督は、「最悪な状況のなかの一筋の光を表現したいと思った」と説明した。雅哉を演じるために2週間前から舞台となる場所に実際に住み始めたという永瀬は監督の現場について、「演じるというより、役として生きるための場を作って頂ける。本当にスペシャルな場所です」と発言。藤竜也は河瀬監督の演出について、「とてもユニークで、何か超人間的なパワーを感じます。曇天の奈良の夜に、「月を出します」と言ったら本当に月が出てしまうような監督。彼女の簡単な言葉によって、一瞬にして僕の魂が彼女の映画の世界のなかに放り込まれる。でもその後、抜け出すのが大変です。できれば抜け出すまで面倒を見て欲しいですが、それは贅沢だと思います」と語り、笑いを誘った。
1997年、初長編の「萌の朱雀」でカメラドールを受賞した河瀬監督は、その10年後には「殯の森」で同映画祭審査員グランプリを受賞。今年はさらに10年目の節目を迎えた。一方、永瀬にとってもカンヌは、1989年にジム・ジャームッシュの「ミステリー・トレイン」で初めて訪れて以来、縁のある場所である。一昨年は河瀬監督の「あん」、昨年はジャームッシュ監督による出演作「パターソン」、そして今年は「光」と、日本人俳優として初めて3年連続で出演作が入選する快挙を果たした。その点について感想を求められた永瀬は、「ジャームッシュ監督と河瀬監督にとても感謝しています。自分たちが一生懸命作った映画がカンヌで上映されるということで、世界中に広がるきっかけになると思うので、僕たちにとって大切な、素晴らしい場所。ぜひまた河瀬監督にここに連れてきて欲しいです」と、熱意を表した。(佐藤久理子)
Amazonで関連商品を見る
関連ニュース






映画.com注目特集をチェック

“究極の推し活”を知ってますか?
大好きな俳優が出てる映画を「製作費提供」で応援できる!! これ革命的すぎますよ…!!
提供:フィリップ証券

ジュラシック・ワールド 復活の大地
【超絶パワーアップ】マジ最高だった!! 究極のスリル、圧倒的な感動、限界突破の興奮!!!
提供:東宝東和

日本よ、これが本物の“悪”だ
【拷問、殺人、裏切り、粛清】超刺激的な“史上最大ヒット作”、観たらすごかった…!
提供:JCOM株式会社

何だこのむちゃくちゃ“刺さる”映画は!?
【尋常でなく期待してる】“命より大事な誰か”のためなら、自分の限界を超えられる。
提供:ディズニー

個人的に“過去最高”!!
【たった“1秒”が爆発的に話題になった映画】実際に観たら…全てが完璧、全編がクライマックス
提供:ワーナー・ブラザース映画

名作映画に新風、吹き込む!
【大人気企画】過去の名作を新たな日本語吹き替えで…一挙に放送!(提供:BS10 スターチャンネル)