萌の朱雀

劇場公開日

解説

ふるさとを愛する気持ちとは裏腹に、離ればなれになって暮らすことを余儀なくされてしまう一家の様子をつづったドラマ。監督・脚本は「かたつもり」の河瀬直美。本作により97年度のカンヌ国際映画祭で日本人初のカメラ・ドール(新人監督賞)を受賞した。撮影は「2/デュオ」の田村正毅が担当している。主演は新人の尾野真千子と柴田浩太郎。ロッテルダム国際映画祭国際映画批評家連盟賞受賞作品。97年度キネマ旬報ベスト・テン第10位。16ミリからのブローアップ。

1997年製作/95分/日本
配給:ビターズ・エンド

ストーリー

過疎化が進む奈良県吉野村、この山間の村にある田原家には、当主の孝三とその妻の泰代、母の幸子、そして孝三の姉が残していった栄介と、孝三と泰代の子・みちるの5人が暮らしている。村に鉄道を通す計画が持ち上がって15年になるが、トンネル工事に携わっていた孝三は、計画の中止を知らされすっかり気力を失っていた。そんな孝三に代わって家計を支えるのは、町の旅館に勤める栄介である。ある日、少しでも家計の助けになればと、泰代が彼と同じ旅館に勤めることになった。ところが、元々体の弱い泰代は、体の調子を崩して倒れてしまう。泰代に秘かな想いを寄せていた栄介は彼女を心配するが、栄介を慕うみちるは母に嫉妬心を覚えた。そんなある日、突然孝三が姿を消し、警察から遺品である8ミリカメラが届けられる。孝三の死によって泰代は実家に帰ることになり、栄介のそばを離れたくないと言って泣いていたみちるも、母についていくことを決心した。孝三が残した8ミリフィルムに写る村の人々の映像を観た一家は、やがて離ればなれになっていく。泰代とみちるを見送った後、幸子と旅館へ住み込みで働きに出ることになった栄介は、家を片づけ始めた。

全文を読む(ネタバレを含む場合あり)

スタッフ・キャスト

監督
脚本
河瀬直美
プロデューサー
仙頭武則
小林広司
協力プロデューサー
柘植靖司
プロデューサー補
近藤亮一
撮影
たむらまさき
美術
吉田悦子
音楽
茂野雅道
録音
滝澤修
整音
松本能紀
中野陽子
音響効果
今野康之
照明
鈴木敦子
編集
掛須秀一
スタイリスト
星輝明
助監督
萩生田宏治
スチール
渡邊俊夫
全てのスタッフ・キャストを見る

受賞歴

第50回 カンヌ国際映画祭(1997年)

受賞

カメラドール
カメラドール 河瀬直美
詳細情報を表示

U-NEXTで関連作を観る

映画見放題作品数 NO.1(※)! まずは31日無料トライアル

※GEM Partners調べ/2021年10月|Powered By U-NEXT

関連ニュース

関連ニュースをもっと読む

映画レビュー

2.5五新線のエピソードがもっと欲しかった

2021年9月30日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

先日、五條新宮線長距離バスに乗車して十津川温泉に行ってきた。バスの運転手が途中の観光案内までやってくれて、その中に五新線の廃線跡の説明が有り、興味を持ちネットでいろいろ調べてるうちにこの映画にたどり着いたため、図書館で古いVHSビデオを借りて視聴した。映画としてはエンターテイメントなものではなく、ドキュメンタリー的な部分と一家族の離散の物語を合体したようなつくりであった。鉄道好きとしてはもっと五新線についてのエピソードを期待したのだが。

コメントする (コメント数 0 件)
共感した! (共感した人 0 件)
あっちゃんのパパと

4.0あんな、好きやねん、でも、いくわ

Kjさん
2021年7月12日
iPhoneアプリから投稿

大人の判断を不意に求められる少女。伏し目がちなあどけない表情。頭を撫でてあげたくなる。後半はそんな尾野真千子の独壇場で、完成度の高いアイドル映画といっても過言ではない。死を待つような祖母の姿。過疎の村とダブって映る。懐かしい風景は夏の何処かで匂った原風景。失われていく何かと残される何か。この映画で西吉野は、尾野真千子という才を産み残したという現実までもが重なってくる。
台詞が極端に少なく、時に短い。現実はそういうもの。警察からの電話を受けた時の演出は見事にリアル。人間関係図や父の仕事の話は、いくらなんでももう少し説明した方が良かったのでは?とも思うのだが、これも作り手の意図だろう。父がトンネルに最後に見た光は何か、甥は何を感じて駆け出したか?尾野真千子の魅力に隠れてしまいそうだが、これも重要なテーマを投げかけている。

コメントする (コメント数 0 件)
共感した! (共感した人 1 件)
Kj

3.0びっっくりした!!

JYARIさん
2020年11月30日
PCから投稿

尾野真千子、もうこの頃から、
今の演技してるんかい!!!

本当に演じるために産まれてきたような人だなあ。

もう目で表現するとか、間とかが、
絶妙で、セリフのイントネーションとか
すっごい今に近い感じなの、すごい。

正直言って、映画自体がおもしろいとは全く
思えなかったけれど、今作尾野真千子は必見です。

ただ、音楽もシーンの切り取り方もすごく綺麗で、
ラストまで見た時にこういうことが伝えたかったのか、
と監督の意図がずごく伝わる作品でした。

コメントする (コメント数 0 件)
共感した! (共感した人 1 件)
JYARI

4.0尾野真千子が可愛い!

kossyさん
2020年10月24日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 しばらく家族関係が把握できずにいたけど、一応ばあちゃんの孫にあたる。みちると従妹関係になるので恋愛感情がわくものだと思っていたのにそうはならない。彼らは一つの家族として、支え合っていたのだ。

 まるで一家の離散を表現するかのように、また、こうして村の過疎化が進むのかと思うと、ノスタルジックでもあり、悲しい物語でもある。工事が中断したままのトンネルと10年後に閉鎖されたトンネル。鉄道でもバスでもいいから開通すれば村も発展するのに・・・という悔しい思いも伝わってくるのです。

 バスはJRの雰囲気があるけど、しっかりと「国鉄」と書いてあった。多分、大黒柱となる孝三(國村隼)も戦争経験があるのだろう。寂れゆく中にも希望はあるし、何といっても星空が綺麗だし、空気もうまい(タバコ吸ってたみたいけど)。流れゆく年月も描きながら、季節はずっと夏でした。春には桜も優雅で美しいところだと思うけど、春を描いていたら違った印象になるのでしょう。

 ずっと田舎暮らしでもいい!と皆の思いは同じなのに、トンネル工事中断のために孝三の心も気落ちしたまま。やがてふらりと山を下りて行く・・・

 冒頭では風にそよぐ森林の映像。『殯(もがり)の森』と一緒だ。故郷の家、家族、そして村人たちと祭りの様子。日本の原風景とも思える映像には懐かしささえ感じるのです。栄介もみちるももっと大人になれば、また戻ってきて夏のひとときを楽しむのだろう。20年後の田原家の物語も知りたいものだ。

コメントする (コメント数 0 件)
共感した! (共感した人 1 件)
kossy
すべての映画レビューを見る(全10件)
関連DVD・ブルーレイ情報をもっと見る