田中敦子「ゴースト・イン・ザ・シェル」アフレコで「公安9課が熟知していることを提案」
2017年4月5日 15:00
[映画.com ニュース] 士郎正宗氏によるSF漫画をハリウッド実写化した「ゴースト・イン・ザ・シェル」の吹き替え版完成披露試写会が4月4日に都内で行われ、押井守監督によるアニメ版「GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊」、神山健治監督のアニメ版「攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX」シリーズに続き、本作の声優を務めた田中敦子が登壇した。
テロ攻撃にあい全身を損傷し、脳とわずかな記憶を残して肉体が機械化された捜査組織“公安9課”の捜査官・少佐(スカーレット・ヨハンソン)が、上司の荒巻(ビートたけし)、相棒のバトー(ピルウ・アスベック)らと共にサイバーテロ事件の真相に迫る。吹き替え版には、田中のほか大塚明夫(バトー役)、山寺宏一(トグサ役)といった押井版・神山版の声優陣が再集結した。
感慨の面持ちで「ただいま」と挨拶した田中は「素材のDVDと台本を照らし合わせて見たのが最初。ハリウッドはなんていうすごいことをしてくれたんだろうというのが第1印象でした。『攻殻機動隊』や押井監督へのルパート(・サンダース)監督の愛が止まらないという印象を強く受けましたね。シーンがとても似通っていますので、ダイブするシーンや光学迷彩で水辺で戦うシーンなど、アニメが浮かんできました。スカーレット・ヨハンソンさんは私よりも小柄な方ですが、画面で見る彼女の存在感の大きさはそれをまったく感じさせない。生身の肉体で生まれてるのかな、彼女こそ義体なんじゃと思うくらい細部にわたるくらい美しい。圧倒されました」と語る。「1つ驚いたシーンがあって、私と少佐の意外な共通点を発見しました。詳しくは言えないのですが、私がTwitterでよくアップする事柄が共通点。“あ、少佐も?”と共通点を見いだしましてウキウキしました」とほほ笑んだ。
アフレコにおいては「大塚さん、山寺さん、イシカワ役の仲野裕さんと一緒に呼んでいただいて、朝から1日かけて録りました。(大塚や山寺は)兄貴のようなナイトのような存在。今までと同じようについていくことだけ考えれば、引き出してもらえると思って臨みましたね。山寺さんや仲野さんが出番じゃないときは椅子に座って待っていてくださるんですが、山ちゃんが『目を閉じてセリフだけ追いかけているとアニメが浮かぶな』と言ってくれたのがすごくうれしかった」といい、セリフにおいても「私たち“公安9課”が熟知していることを提案させていただきました。トグサは少佐には丁寧語を使ってきたから修正させてほしいとか、バトーが荒巻に“おやっさん”という呼びかけをするとか」と明かす。
本作のアフレコを経て、「GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊」の製作時を思い出したといい「完成版に近く色がついて出来上がってる状態でのアフレコで、緊張するところもありました。ブレス(息継ぎ)に合わせてセリフを言えるかなとか、押井監督から『なるべく抑えて感情を表に出さないで』と演技指導もいただき、抑えたなかでの長ゼリフや感情表現が難しかったなと思い出しましたね」と振り返った。
イベントでは、田中が「たけしさんが選考委員長を務められている東京スポーツ映画大賞の主演女優賞を草薙素子さんが受賞されています(第5回)」と豆知識を披露して会場を沸かせたほか、「ネットは広大だわ」というセリフを生披露し、会場は温かな拍手に包まれた。
「ゴースト・イン・ザ・シェル」は、4月7日から全国公開。
フォトギャラリー
関連ニュース
映画.com注目特集をチェック
ホワイトバード はじまりのワンダー NEW
いじめで退学になった少年。6年後、何をしてる――?【ラスト5分、確実に泣く“珠玉の感動作”】
提供:キノフィルムズ
映画料金が500円になるヤバい裏ワザ NEW
【12月“めちゃ観たい”映画が公開しすぎ問題】全部観たら破産確定→ヤバい安くなる裏ワザ伝授します
提供:KDDI
【推しの子】 The Final Act
【社会現象、進行中】鬼滅の刃、地面師たちに匹敵する“歴史的人気作”…今こそ目撃せよ。
提供:東映
モアナと伝説の海2
【「モアナの音楽が歴代No.1」の“私”が観たら…】最高を更新する“神曲”ぞろいで超刺さった!
提供:ディズニー
失神者続出の超過激ホラー
【どれくらいヤバいか観てみた】「ムリだよ(真顔)」「超楽しい(笑顔)」感想真っ二つだった話
提供:プルーク、エクストリームフィルム
食らってほしい、オススメの衝撃作
“犯罪が起きない町”だったのに…殺人事件が起きた…人間の闇が明らかになる、まさかの展開に驚愕必至
提供:hulu
関連コンテンツをチェック
シネマ映画.comで今すぐ見る
父親と2人で過ごした夏休みを、20年後、その時の父親と同じ年齢になった娘の視点からつづり、当時は知らなかった父親の新たな一面を見いだしていく姿を描いたヒューマンドラマ。 11歳の夏休み、思春期のソフィは、離れて暮らす31歳の父親カラムとともにトルコのひなびたリゾート地にやってきた。まぶしい太陽の下、カラムが入手したビデオカメラを互いに向け合い、2人は親密な時間を過ごす。20年後、当時のカラムと同じ年齢になったソフィは、その時に撮影した懐かしい映像を振り返り、大好きだった父との記憶をよみがえらてゆく。 テレビドラマ「ノーマル・ピープル」でブレイクしたポール・メスカルが愛情深くも繊細な父親カラムを演じ、第95回アカデミー主演男優賞にノミネート。ソフィ役はオーディションで選ばれた新人フランキー・コリオ。監督・脚本はこれが長編デビューとなる、スコットランド出身の新星シャーロット・ウェルズ。
ギリシャ・クレタ島のリゾート地を舞台に、10代の少女たちの友情や恋愛やセックスが絡み合う夏休みをいきいきと描いた青春ドラマ。 タラ、スカイ、エムの親友3人組は卒業旅行の締めくくりとして、パーティが盛んなクレタ島のリゾート地マリアへやって来る。3人の中で自分だけがバージンのタラはこの地で初体験を果たすべく焦りを募らせるが、スカイとエムはお節介な混乱を招いてばかり。バーやナイトクラブが立ち並ぶ雑踏を、酒に酔ってひとりさまようタラ。やがて彼女はホテルの隣室の青年たちと出会い、思い出に残る夏の日々への期待を抱くが……。 主人公タラ役に、ドラマ「ヴァンパイア・アカデミー」のミア・マッケンナ=ブルース。「SCRAPPER スクラッパー」などの作品で撮影監督として活躍してきたモリー・マニング・ウォーカーが長編初監督・脚本を手がけ、2023年・第76回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門グランプリをはじめ世界各地の映画祭で高く評価された。
「苦役列車」「まなみ100%」の脚本や「れいこいるか」などの監督作で知られるいまおかしんじ監督が、突然体が入れ替わってしまった男女を主人公に、セックスもジェンダーも超えた恋の形をユーモラスにつづった奇想天外なラブストーリー。 39歳の小説家・辺見たかしと24歳の美容師・横澤サトミは、街で衝突して一緒に階段から転げ落ちたことをきっかけに、体が入れ替わってしまう。お互いになりきってそれぞれの生活を送り始める2人だったが、たかしの妻・由莉奈には別の男の影があり、レズビアンのサトミは同棲中の真紀から男の恋人ができたことを理由に別れを告げられる。たかしとサトミはお互いの人生を好転させるため、周囲の人々を巻き込みながら奮闘を続けるが……。 小説家たかしを小出恵介、たかしと体が入れ替わってしまう美容師サトミをグラビアアイドルの風吹ケイ、たかしの妻・由莉奈を新藤まなみ、たかしとサトミを見守るゲイのバー店主を田中幸太朗が演じた。
奔放な美少女に翻弄される男の姿をつづった谷崎潤一郎の長編小説「痴人の愛」を、現代に舞台を置き換えて主人公ふたりの性別を逆転させるなど大胆なアレンジを加えて映画化。 教師のなおみは、捨て猫のように道端に座り込んでいた青年ゆずるを放っておくことができず、広い家に引っ越して一緒に暮らし始める。ゆずるとの間に体の関係はなく、なおみは彼の成長を見守るだけのはずだった。しかし、ゆずるの自由奔放な行動に振り回されるうちに、その蠱惑的な魅力の虜になっていき……。 2022年の映画「鍵」でも谷崎作品のヒロインを務めた桝田幸希が主人公なおみ、「ロストサマー」「ブルーイマジン」の林裕太がゆずるを演じ、「青春ジャック 止められるか、俺たちを2」の碧木愛莉、「きのう生まれたわけじゃない」の守屋文雄が共演。「家政夫のミタゾノ」などテレビドラマの演出を中心に手がけてきた宝来忠昭が監督・脚本を担当。
文豪・谷崎潤一郎が同性愛や不倫に溺れる男女の破滅的な情愛を赤裸々につづった長編小説「卍」を、現代に舞台を置き換えて登場人物の性別を逆にするなど大胆なアレンジを加えて映画化。 画家になる夢を諦めきれず、サラリーマンを辞めて美術学校に通う園田。家庭では弁護士の妻・弥生が生計を支えていた。そんな中、園田は学校で見かけた美しい青年・光を目で追うようになり、デッサンのモデルとして自宅に招く。園田と光は自然に体を重ね、その後も逢瀬を繰り返していく。弥生からの誘いを断って光との情事に溺れる園田だったが、光には香織という婚約者がいることが発覚し……。 「クロガラス0」の中﨑絵梨奈が弥生役を体当たりで演じ、「ヘタな二人の恋の話」の鈴木志遠、「モダンかアナーキー」の門間航が共演。監督・脚本は「家政夫のミタゾノ」「孤独のグルメ」などテレビドラマの演出を中心に手がけてきた宝来忠昭。
文豪・田山花袋が明治40年に発表した代表作で、日本の私小説の出発点とも言われる「蒲団」を原案に描いた人間ドラマ。物語の舞台を明治から現代の令和に、主人公を小説家から脚本家に置き換えて映画化した。 仕事への情熱を失い、妻のまどかとの関係も冷え切っていた脚本家の竹中時雄は、彼の作品のファンで脚本家を目指しているという若い女性・横山芳美に弟子入りを懇願され、彼女と師弟関係を結ぶ。一緒に仕事をするうちに芳美に物書きとしてのセンスを認め、同時に彼女に対して恋愛感情を抱くようになる時雄。芳美とともにいることで自身も納得する文章が書けるようになり、公私ともに充実していくが、芳美の恋人が上京してくるという話を聞き、嫉妬心と焦燥感に駆られる。 監督は「テイクオーバーゾーン」の山嵜晋平、脚本は「戦争と一人の女」「花腐し」などで共同脚本を手がけた中野太。主人公の時雄役を斉藤陽一郎が務め、芳子役は「ベイビーわるきゅーれ」の秋谷百音、まどか役は片岡礼子がそれぞれ演じた。