女装パフォーマー・ブルボンヌ、「ムーンライト」の“コク”を力説「2回目の方が味が染みる」
2017年3月22日 12:32

[映画.com ニュース]第89回アカデミー賞で作品賞ほか3冠に輝いた「ムーンライト」のトークイベント付き試写会が3月21日に東京・渋谷のユーロライブで行われ、女装パフォーマー、ライターのブルボンヌが独自の目線で作品を考察した。
ブラッド・ピットの製作会社プランBエンタテインメントによる本作。米マイアミを舞台に、貧困地域で孤独な生活を送る黒人少年シャロンが、自己のアイデンティティを模索するさまを幼少期(アレックス・ヒバート)、少年期(アシュトン・サンダース)、青年期(トレバンテ・ローズ)の3つの時代に分けて描く。
「1回目より2回目見たときの方が味が染みてくる。しずくのように心の中に垂らされていくものを、人生に反映させていくコクのある映画。見終わってしばらくしてから想像させる行間だらけの作品で、バカ向けじゃないわね(笑)。繊細な味をわかるグルメが堪能できる映画じゃないかしら」と詩的な表現をまじえて作品の魅力を語ったブルボンヌ。本作は、LGBTQ(レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー、クィア)作品として初めてアカデミー賞作品賞に輝いたが「ゲイの世界では2005年の『ブロークバック・マウンテン』のときに“ついに行くか!”となったんですが作品賞は取られなかった。『キッズ・オールライト』や『イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密』が作品賞ノミネートを果たしたんですが、ついに獲得したのが本作。メッセージを受け取ることができる人がいないと大きな枠に乗っからせてもらえない。受け手が成長していることでもある」と感慨をあらわにした。
本作でキーとなるのが、シャロンと麻薬常習者の母ポーラ(ナオミ・ハリス)の関係の変遷だ。ブルボンヌは「性的少数者の男子はお母さんの存在を大きく抱えている人が多い。子孫を残せないから、唯一の血縁って母と自分だけなので、生んでくれた存在が存在を認めてくれるかどうかとか愛してくれるかどうかで“生きてていいんだ”と思わせてくれる。彼女の存在って映画においてすごく大きいんじゃないか」と述べ、青年期のシャロンが屈強な男性に変ぼうしている点においても「心と体によろいをつけて社会と渡り合うことにしたというのがわかる。同じ人間がずっと同じではない、ということを言うためにすごくいい表現」とバリー・ジェンキンス監督の演出の妙を解説した。
「ムーンライト」は、3月31日から全国公開。
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