仏俳優ギャスパー・ウリエル、グザビエ・ドラン監督を称賛「ほかの監督とはまったく違う」
2016年12月14日 11:00

[映画.com ニュース] 第69回カンヌ国際映画祭でグランプリに輝いた、グザビエ・ドラン監督の新作「たかが世界の終わり」に主演する仏俳優ギャスパー・ウリエルが、同作の日本公開を記念し来日。12月13日、アンスティチュ・フランセ東京で行われたジャパンプレミアに出席した。
映画は、ウリエルをはじめ、レア・セドゥー、バンサン・カッセル、マリオン・コティヤール、ナタリー・バイというフランスを代表する俳優陣が集結し、愛しているのに傷つけあう、ある家族の1日を切りとった。家族に「もうすぐ死ぬ」と伝えるため、12年ぶりに帰郷した人気劇作家のルイ(ウリエル)だったが、家族との久々の再会はぎこちなく、兄の激しい言葉を機にそれぞれが秘めていた感情があふれ出す。
今作でドラン監督と初タッグを組んだウリエルは、ドラン監督の俳優に敬意を払う姿勢や映画へのアプローチの仕方を称賛。撮影手法も独特だったと言い、「これまで一緒に仕事をしてきたほかの監督とはまったく違う。現場ではかなり(演技に)干渉する主義で、頭のなかにはっきりしたアイデアを持っているんです。現場で新しいアイデアが沸いてくると、カメラが回っているのにダメ出しをする。僕らがテイクが終わったと思うのは、フイルムが巻き切ったときですね(笑)」と振り返った。
また、主人公ルイのセリフが少ないことも今作の特徴のひとつ。「沈黙を通して最大限のことを伝えるのはチャレンジでした」というウリエルだが、脚本にドラン監督から自筆の手紙が添えられていたと話し、「『心配しなくていいよ。沈黙がどれほど可能性を持っている表現方法かを一緒に探っていこう。ほかの家族の話を聞きながら、リアクションをする旅をしていこう』ということが書かれていました。ドラン監督との共同作業はとても興味深いものでした」とニッコリ。「今作で描かれているテーマはとても普遍的なもの。だからこそ力強さがあると思います。観客の方々の家族との関係や、心の傷に思い当たる鏡のような作品になっています」とアピールした。
さらに、映画の中盤にルイと母親が対峙する場面に触れ、「ひとつの考えを持って家族のもとに帰って来たルイが、少し方向性を変えるターニングポイントになる重要なシーンです。ドラン監督のどの作品にも父親は不在ですが、このシーンでは母親が父親について一瞬言及するんです」と、新たな演出を明かした。
この日は、モデルの近藤千尋が花束プレゼンターとして登場。夫であるお笑いトリオ「ジャングルポケット」の太田博久との第1子を妊娠中の近藤は、現在11カ月の息子を持つウリエルから子ども服をプレゼントされ大感激。「寝れるうちにたっぷり寝ておいてくださいね」との現実的なアドバイスに、「覚悟します」と戦々恐々としていた。
「たかが世界の終わり」は2017年2月11日から東京・新宿武蔵野館、YEBISU GARDEN CINEMA、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか、全国で順次公開。
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