全米でも公開された「シン・ゴジラ」、アメリカ人の反応は?
2016年11月21日 17:00

[映画.com ニュース] この夏、日本中を席巻した「シン・ゴジラ」は、10月から北米でも公開されており、まずまずの成績を記録した。Funimation Filmsという配給会社(「バケモノの子」「君の名は。」も同社配給)によって、10月に490スクリーンで封切られ、これまでに約191万8000ドル(約2億円)の興行収入を記録していることが分かった。
東京在住の映画ジャーナリスト、ダン・ナイトン氏によれば、「アメリカの評論家のほとんどはポジティブに評価しています。例えばバラエティは、マンネリ化した『バットマン』シリーズが、『バットマン・ビギンズ』としてリブートされて大成功した事例になぞらえて『シン・ゴジラ』を称えています。ニューヨーク・タイムズは『ユーモアが足りない』と不満そうですが、それ以外の多くのメディアは高い評価を与えていますね」
「シン・ゴジラ」はアメリカの映画ファンの間でも概ね好評だ。トマトの鮮度(フレッシュか腐っているか)で評価するレビューサイトのRottenTomatoでは、86%のユーザーが「フレッシュ」と回答。また、同じくレビューサイトMetacriticのスコアは68ポイントで、つい先日公開された「ファンタスティック・ビースト」よりも高い評価を得ている。
これらのサイトのユーザーレビューには、非常に興味深いものがある。例えば、「3・11に捧げる映画だと理解した。国家的な危機のシミュレーションを見るようで驚いた」という意見や、さらに踏み込んで「1954年の1作目は、ひどい戦争から回復している日本の苦しみについての物語である一方、『シン・ゴジラ』は同盟国の要求や、官僚政治に閉塞している日本の物語だ」と日本人顔負けの分析を行っているものもある。
また、2014年のハリウッド版との比較も多い。あるユーザーは、「私が『シン・ゴジラ』の方を好む理由は、核兵器を使わないでゴジラと戦うところだ。アメリカ製作の『GODZILLA ゴジラ』は、結局核兵器で解決しようとした」。
ちなみに「GODZILLA ゴジラ」は2014年8月に3952スクリーンで全米公開され、最終的に2億ドルの興収を記録している。「シン・ゴジラ」の北米での興行規模はその100分の1でしかない。
好意的な意見の一方で、「シン・ゴジラ」には「政治討論のシーンが多すぎる」とがっかりしたユーザーも多い。会話が速く、字幕が読みづらいという意見はたくさんあって、何人かのユーザーは、「吹き替え版がないから見に行かない」と発言している。
このように、アメリカでも好意的に迎えられた「シン・ゴジラ」。あとはDVD発売の際に、英語吹き替え版を収録することが唯一の課題のようだ。
関連ニュース






映画.com注目特集をチェック

35年目のラブレター
【感動実話に“とんでもない絶賛”の嵐】噂を聞きつけ実際に観てきたら…忖度なし正直レビュー!
提供:東映

ヤバい映画みつけましたよ
【いた…凄まじくクレイジーな監督が…!】壮大VFXの映画をほぼ1人で製作、撮影に7年、完成に12年…
提供:Henge

あの歌を憶えている
シングルマザーの主人公。男が家までつけてきた…しかし彼女はその男に惹かれる。男は若年性認知症だった。
提供:セテラ・インターナショナル

ドライブ・イン・マンハッタン
【今年の“個人的ベスト3入り”が確定!?】人はなぜ浮気をする? 人生観が変わる運命的な物語
提供:東京テアトル

洋画“No.1ヒット”スタート!
【新「アベンジャーズ」と関係する“大事件”!?】物語のカギは…なんと“日本”!見どころを徹底調査
提供:ディズニー

“史上最悪”の事件を全世界に生放送
【衝撃の1日を追体験】こんなショッキングな瞬間…観ていいのか? 圧倒的緊迫感の90分
提供:東和ピクチャーズ