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自分の美学で人生の幕引きを選択「92歳のパリジェンヌ」女優、監督に聞く

2016年10月29日 10:00

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パスカル・プザドゥー監督とマルト・ビラロンガ
パスカル・プザドゥー監督とマルト・ビラロンガ

[映画.com ニュース]フランス映画祭2016で最高賞のエールフランス観客賞を受賞した感動作「92歳のパリジェンヌ」が公開された。リオネル・ジョスパン元フランス首相の母の人生を、娘で作家のノエル・シャトレが綴った小説を原案に、自分の美学で人生を終える決意をした女性とその家族の姿を描く。92歳のマドレーヌ役のマルト・ビラロンガと、パスカル・プサドゥー監督に話を聞いた。

かつては助産婦として働き、子どもや孫にも恵まれて、現在は穏やかな老後を過ごしているマドレーヌ。まだまだ元気な彼女だったが、数年前から書き記している「1人でできなくなったことリスト」の項目が増えていることが気がかりだった。そして92歳の誕生日、マドレーヌは「2カ月後の10月17日に私は逝きます」と家族に宣言する。娘役を「仕立て屋の恋」のサンドリーヌ・ボネール、マドレーヌ役をマルト・ビラロンガがそれぞれ演じる。

プザドゥー監督は、本作製作のきっかけをこう語る。「まず原作を読んだ時にこれは“人生”というものがテーマだと思いました。高齢者の話ではあるのですが、その高齢者を親に持つ年代の人の話であるということで、命について非常に深い投げかけがあると思いました。同時に私は、病気で死にゆく友達に付き添ったという経験があったので、死ぬという事についてもよく考えていました。私は45歳だったので、私の人生上でもこのテーマを扱う事が非常に重要ではないかと考えたのです」

マドレーヌを演じるに当たり、役作りやインタビューをすることはなかったというビラロンガ。「私はシナリオを読んでマドレーヌになりきるようにしました。マドレーヌは病気のような状況で、いろんな問題を抱えています。それを自分なりに解釈してこの役になりきりました。ですので、他にインタビューをしたり、他の人に頼った事はないのです。私が感じた彼女を演じています。私が考える、彼女とはこういう人間なんだろうなというのを表現していました」

画像2(C)2015 FIDELITE FILMS - WILD BUNCH - FRANCE 2 CINEMA - FANTAISIE FILMS

自分で死を望んだマドレーヌ。演じる上でも自分の人生に自分で終止符を打つという決断に恐怖心を抱くことはなかったのだろうか。「確かに、難しい決断です。ただ、マドレーヌは30年前から自分で死にたいという事を常々子供たちに話をしてきています。そして30年前は子供も納得をしていたのです。しかし、30年後に実際に彼女がその決断の話をした時にダメだという反応をしたのです。もちろん、私自身彼女になりきっていたので彼女が感じたであろう多少の恐怖がないというと嘘になります。私はあくまでもマドレーヌが感じていたであろうという事は彼女になりきって感じていました。ただ、彼女は病気ではないのです。疲れ果てているという状態なんです。そういったこともあって私はあえて原作を撮影の前には読みませんでした。とにかくシナリオだけに頼って今回の演技を準備しました」

ビラロンガは現在84歳。元気に現役で女優業を続けられる秘訣を聞くと、「それは恐らく私は人生が好きだからだと思います。人と会ったり、出かけたり、旅行することも好きです。まるで料理を楽しむようにこういった人生を楽しんでいます。毎朝起きていい天気で健康で、たまに腰が痛い日ももちろんありますが、この腰の痛みもそのうちよくなるだろうという風に考えます。いわゆる私はポジティブな人間なんだと思います。物事のいいことを見るようにしています。それが出来るのはもちろん自分自身が健康であるからだと思います。毎日起きて神様ありがとうと思っています。普段から私は元気なので、『どうしてそんなに元気なの?』とたくさんの人に聞かれるので、『実は毎朝腕に注射うってるんですよ』とジョークを言っています。ここだけの話ですが(笑)」

フランスを代表する女性映画監督として知られるプザドゥー監督。監督にとって自分らしく生きることとは?「フランスの女性が自由を得たというのはそれほど昔の事ではなかったと思います。1968年頃からフランスの女性にも自由というものが訪れたのだと思います。私にとってラッキーだったのは母がフェミニストであったという事ですね。そして母が自由とは何かというと『仕事を持つこと』だと言ってました。そしてその仕事は熱心に出来るものでなくてはならないということも言っていました」

「私が自由を手にしたのは非常に長い時間を努力した後だったと思います。30歳ごろに本当に本気になって仕事を始めてやっていたのですが、なかなか難しいのです。10年ぐらい難しい時間を過ごしていました。つまり映画というのはお金を稼げるときもあれば稼げない時もあり、生活の基盤を築くには大変難しい、疑いの期間がありました。幸運にも最初の映画が成功してそれで自由を手にしました。自由に生きるとは私にとって毎日のチャンスを生きるだと思っています。仕事を持つという事は経済的に誰かに依存しない。お金を稼げる稼げないかということは誰にとっても問題だと思います。稼げるようにするには自分を信じて毎日のチャンスを生かすしかないと思います」

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