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安藤サクラ、ベネチアで河瀬直美監督作への思いを吐露 「MIU MIU」短編企画に主演

2016年9月5日 13:30

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ベネチア入りした安藤サクラ
ベネチア入りした安藤サクラ

[映画.com ニュース] ベネチア国際映画祭の恒例行事として知られるのが、ファッションブランド「ミュウミュウ」が企画する女性監督によるショートフィルムプロジェクト「MIU MIU WOMEN’S TALES(女性たちの物語)」の上映だ。2011年にスタートし、これまで11本の短編が製作されている。

今年のベネチアでは、12本目にあたる最新作でクリスタル・モーゼルの「That One Day」、今年2月にミュウミュウ公式サイトで公開された11本目の河瀬直美監督作「SEED」の2本が披露された。河瀬監督は不在だったものの、上映には主演の安藤サクラが日本から駆けつけた。

安藤は、本作について「女性としても、映画に携わる者としても河瀬さんのファンだったので、参加できてとてもうれしかったです。以前からミュウミュウの洋服にはストーリーを感じていたので、その世界観と河瀬監督の世界が合わさったらどうなるだろうと楽しみでした。この作品はひとつの儀式のような気持ちで、わたしが生き物として何を感じ、肉体がどう反応するか、魂の感じるままに動きました。そうした息吹が、見る側にとっても魂に響くものになっているのではないかと思います」と語ってくれた。

さらに9月2日には、ファッションデザイナーであり「シングルマン」で監督デビューを飾ったトム・フォードの新作「Nocturnal Animals」が上映され、フォードとともに主演のエイミー・アダムスジェイク・ギレンホール、アーロン・テイラー=ジョンソンが揃ってレッドカーペットに登場した。

オースティン・ライトの小説をフォード自ら脚色した本作は、成功したアートディーラーのヒロインがある日突然、元恋人の小説家から草稿を送られ、バイオレントな内容に感化されていく物語。映像やディテールへの徹底したこだわりはフォード監督のトレードマークだが、前作とは打って変わって人間不信やアートビジネスの非情さなど、冷たく無常な世界が広がり、その殺伐とした世界観に打ちのめされる。

フォード監督は、物語に惹かれた理由を「これは誰にとっても重要な忠誠と献身、愛と孤独の物語。現代はなんでも使い捨ての時代で、人間関係すら簡単に葬られてしまうなかで、あらためてその価値をみつめ直したかった」と述べた。バラエティは、「『ブルー・ベルベット』や『イン・ザ・ベッド・ルーム』を彷彿させる、洗練されたポスト・モダン・ヒッチコック的フィルム・ノワール」と評した。(佐藤久理子)


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