「時かけ」から23年、大林宣彦監督さらなる意欲「おばあちゃんの知世と映画撮りたい」
2016年8月13日 16:00
チャールズ・ブロンソンやソフィア・ローレンらハリウッドスターを起用したCMディレクターとして鳴らしていた大林監督が、初めて商業映画「HOUSE」を監督したのが1977年。ちょうど角川春樹氏が映画製作に参入した時期と重なり、雑誌の対談がきっかけとなり79年「金田一耕助の冒険」で初めてタッグを組んだ。
続く薬師丸ひろ子主演の81年「ねらわれた学園」が大ヒット。アイドル路線にかじを切った角川氏が、真田広之の相手役のオーディションで見初めたのが原田知世だった(グランプリは渡辺典子)。だが、なかなか売れなかったため、「時をかける少女」は映画デビュー作でありながら“引退作”として撮ってほしいと角川氏から頼まれたという。
大林監督は、「角川さんが私に出した条件は、『時をかける少女』というタイトルと(出身地の)尾道で撮ってくれということだけ。だから僕は恋愛映画にしようと思い、恋愛の中で一番悲しいのは年齢の差だから、おじいちゃんと孫の恋愛にした」と説明。当時の原田については、「ただ立って、こんにちは、ありがとうと言っているだけ。プロデューサー陣はこんな映画誰も見ないと言っていたし、知世ちゃんも芝居をした実感はなかったはず」と振り返った。
案の定、完成した作品を見た原田は「私、あんなんでいいんですか。木彫りの人形みたいで変」と言われたそうだが、「僕には確信があった」とニヤリ。結果的には、薬師丸主演の「探偵物語」と2本立てで大ヒットとなり、「古典的な大正ロマンチシズムで売ればいけると思っていた。(観客を)ひろ子で呼んで、知世で帰すという作戦が見事にはまった」と胸を張った。
そして、原田がスクリーンからニコッとほほ笑むラストカットに関して「観客の皆さんは、僕を見てくれたという気持ちになるという意図で撮ったけれど、あれは僕を見ているんだからね。ざまあみろ」と冗談めかした大林監督。「時をかける少女」は最近もニューヨークやイタリアのウディネ・ファーイースト映画祭などで上映されているそうで、「知世ちゃんも40歳を過ぎてようやく、『時をかける少女』の頃の自分が分かるようになってきたみたい。おばあちゃんになった知世ちゃんと映画を撮りたいね」と意欲を見せていた。
「角川映画祭」は、9月2日まで同館で開催。
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