役所広司、黒沢清監督「クリーピー」絶賛し次回作出演に布石!?「出られるかもしれない」
2016年6月22日 06:00

[映画.com ニュース] 俳優の役所広司が6月21日、映画「クリーピー 偽りの隣人」の黒沢清監督と西島秀俊が東京・新宿ピカデリーで行った公開記念トークショーにゲスト出演した。役所は黒沢監督を「まさに映画の先生」とリスペクトし、1997年「CURE」では東京国際映画祭の最優秀男優賞を受賞。99年に出演した「ニンゲン合格」の主演が西島で、この日が17年ぶりのそろい踏みとなった。
既に「クリーピー 偽りの隣人」を2回見たそうで、「導入部からあっという間に引き込まれ、最後までひきつけられ緊張状態で終わる。エンタテインメントとしてよくできていて、解釈の余白を与えてくれる。俳優ものびのび仕事をされていて、観客として西島さんと一緒に生きている感じがした」と大絶賛。その上で、「何でここに僕が出ていないんだろうとも思った」と笑いを取ることも忘れなかった。
黒沢監督は、役所と同い年にもかかわらず「こういうシチュエーションは初めてで、少し緊張している。役所さんに出ていない映画の話をしていただき、ただただ感動している」と最敬礼。「こんなことなら、1カットでも出てもらえれば良かった」と悔しがった。
西島は、「黒沢監督と役所さんの話が聞くことができるなんて、僕は客側で楽しみます」と終始ニコニコ。まだ若手だった「ニンゲン合格」当時を振り返り、「役所さんに哀川翔さん、洞口依子さん、(大杉)漣さん、麻生久美子さんと、まさに黒沢組のオールスター。戻れるならあの時に戻りたい」と思いをはせた。
役所については、「最初は人間なんだけれど、最終的には人間を超えた何かになる。この世の中の秩序や法則に皆が翻ろうされる中、役所さんだけはそれを理解して黒沢組の象徴になる」と分析。当時の役所と同世代になって出演した「クリーピー」は、「CURE」と比較されることもあるそうだが「ちょっと勝負にならない」と感服した面持ちだ。
黒沢監督も「CURE」との役の類似点を認め、「一生懸命でどこかタフ、誠実なヒーローだけれどチャーミングなところもある。質は違うけれど在り様は同じなので、役所さんだった多分こうやるだろうなというモデルがあって、今の西島さんがどうするか、役所さんとどう違うかを見ていた」と説明。それを聞いていた役所は、「次回作に出られるかもしれない」と期待に胸を膨らませていた。
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