自然光のみで9カ月間オールロケ!異例づくし「レヴェナント」の撮影方法とは?
2016年4月13日 12:00

[映画.com ニュース] 第88回アカデミー賞で監督賞、主演男優賞、撮影賞の3冠に輝いた「レヴェナント 蘇えりし者」の特別映像が、公開された。日光や炎といった自然光のみを使用し、約9カ月におよんだロケ撮影の裏側に迫っている。
「ゼロ・グラビティ」(2013)、「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」(14)、本作とアカデミー賞撮影賞を3年連続で受賞したエマニュエル・ルベツキ撮影監督は、「今までで1番難しい撮影だった。常に天候や自然との戦いだった」と振り返る。主演を務めたレオナルド・ディカプリオは、来日時の会見で「1日に1時間半しか撮影に当てられなかった」と時間との戦いだったことを明かしている。
さらに、主人公ヒュー・グラス(ディカプリオ)の旅に説得力を持たせるべく、時系列順に沿った撮影(順撮り)を採用したため、スケジュールの面でも撮影は困難を極めたという。「自然光で撮影するには、その時その場所に陽が差し込む必要がある。自然の中での撮影はただでさえ難しいのに、距離と移動時間も計算して時間帯が合うように計算した」(アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督)。加えて、「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」でも見せた“長回し”を効果的に用いることで画面にリアルな迫力をもたらした。
異色の撮影には、「キャリー(1976)」や「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」(07)の美術を手がけ、本作でオスカーにノミネートされたジャック・フィスクが大いに力を発揮した。登場人物が訪れる“砦(とりで)”のセットは全方向から撮影できるように設計し「どこを映しても自然に見える完璧な要塞を建設した」。さらに、セットは日光を最大限利用するために東向きの“朝の撮影用”と西向きの“午後の撮影用”の2パターンを用意したという。
「レヴェナント 蘇えりし者」は、狩猟中に熊に襲われてひん死の重傷を負ったグラスが、隊のメンバー、ジョン・フィッツジェラルド(トム・ハーディ)に殺害された息子の無念を晴らすべく、苛酷な自然環境の中で生き抜こうともがくさまをダイナミックな映像で描く。4月22日から全国公開。
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