実孫も称賛!「蜜のあわれ」高良健吾が演じる芥川龍之介がハマりすぎ
2016年3月18日 12:00
映画は、変幻自在の金魚の姿をもつ少女・赤子(二階堂ふみ)と老作家(大杉漣)の関係を中心に、老作家を慕う幽霊・ゆり子(真木よう子)、老作家と友人だった作家・芥川龍之介の幽霊(高良)たちが2人の生活に影響を与えていくさまを幻想的に描く。
第56回ブルーリボン賞主演男優賞を受賞した「横道世之介」や、現在放送中のテレビドラマ「いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう」などで演技力を高く評価されている高良だが、本作では芥川の髪型を再現し、相手を射すくめるような眼光をたたえて本人になりきっている。芥川の実孫であるアクタガワタカトシ氏も「高良健吾さんの芥川龍之介は、少し格好よ過ぎるかもしれませんね(笑)」としつつも「この作品を通して、おじいさんに会えた感じがしました」とコメントを寄せている。
メガホンをとった石井岳龍監督は「高良健吾さんは控えめな優しい役もお上手ですが、彼の尖ったキャラクターがすごく好きなので今回の役は絶対にハマると思いましたし、実際にすごく格好よかった」と絶賛。高良は「『幽霊役も来るようになったか』と不思議な喜びも感じました」と振り返りながら、「10代の頃、(石井)監督の作品に頭を撃ち抜かれた記憶があります。監督は現場でも、とても格好よかった。紳士だった。ロックだった」と参加の喜びを語っている。
老作家には室生自身が投影されているといわれているが、実際の芥川と室生は友人同士で年も近く、家も近所だった。高良は劇中の重要なシーンで登場し、大杉と演技合戦を繰り広げており、映画ファンだけでなく文芸ファンにとっても注目のシーンといえる。