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名優イアン・マッケラン、“誰も知らなかった本当のホームズ”を語る

2016年3月17日 12:00

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「Mr.ホームズ 名探偵最後の事件」 に主演したイアン・マッケラン
「Mr.ホームズ 名探偵最後の事件」 に主演したイアン・マッケラン
(C)Agatha A Nitecka / SLIGHT TRICK PRODUCTIONS

[映画.com ニュース] 3月18日に公開される「Mr.ホームズ 名探偵最後の事件」(ビル・コンドン監督)で、世界一有名な名探偵シャーロック・ホームズを演じた名優イアン・マッケランが、本作の魅力や真田広之との共演について語った。

アーサー・コナン・ドイルが1887年に世に送り出した名探偵は、サイレント映画の時代から何度も映像化され、何人もの俳優たちが演じてきた。現在76歳、英国が誇る名優マッケランも、子どもの頃から小説を読み、初期の映画を鑑賞し、一連のテレビシリーズで20年近くホームズを演じた故ジェレミー・ブレットさんに俳優として多大な影響を受けたという。

ロード・オブ・ザ・リング」シリーズの魔法使いガンダルフ役は予想以上の反響だったと明かすマッケランは、不世出の名探偵を演じ「何より嬉しかったのは、本当に幅広い方に支持していただいたことです。それこそシャーロック・ホームズが好きだという方や、まったく知らないという方まで、年齢に関係なく響いているというのは嬉しいことです」と喜ぶ。

ミッチ・カレンの同名小説を映画化した本作は、隠居生活を送っている93歳のホームズが、30年以上前に自身を引退に追い込んだ未解決事件と再び向き合う姿を描く。マッケランは、ベイカー街221Bの住人を「どちらかというと落ち着きのない人物で、自分の持つエネルギー全てを、レーザー光線を当てるように、あるいは小型の望遠鏡でのぞくように、問題に集中させるような男」と称する。その一方で「本作品に描かれるホームズは、本物のホームズはこうであったかもしれないという可能性の提示」だと説明。「演じがいがあったところは、誰もが知っているホームズを演じることができるのと同時に、誰も知らなかった本当のホームズを演じられたということですね」と語る。

画像2(C)Agatha A Nitecka / SLIGHT TRICK PRODUCTIONS

“誰も知らなかった本当のホームズ”を語るうえで欠かせないキーワードが“孤独”だ。「人間誰しもひとりでいるという意味の孤独の感覚は分かると思うんです。それは孤独を寂しいと感じるのとは違うわけですよね」と指摘するマッケラン。ドイルが描いた主人公は「ひとりでいることに十分な幸せを感じているし、犯人を分析するという仕事にも満足していた」が、「そんなホームズが初めて、普段だったら自分が他人を分析するように自分自身を見つめなければいけない」ことが本作の魅力だと解説する。

ちなみに劇中では、名推理が冴えわたる絶頂期と引退して衰えた老齢期を結びつける重要なステージとして、日本が登場する。そこで、ホームズとある因縁で結ばれた日本人男性ウメザキを演じているのが真田だ。マッケランは「良い役者であるからといって、いつも友情が育まれるわけではないのだけど、彼とは良い友情が生まれました。英語が上手だったよ」と述懐する。さらに印象に残った場面として、「日本で山椒を見つけるシーンなのですが、採取する前に軽く礼をするんですね。日本の役者さんならではの瞬間だと感じたのをよく覚えています」と明かした。

いまだに最後の未解決事件に苦しんでいるホームズは、記憶をたどり、事件の断片を集め始めようとする。「過去について自問自答する点が、老人である私にとっては魅力的に映りました」とマッケランは語る。「今回の事件では、ホームズの心が関連してきます。歳を取るということにつきまとう困難、記憶力の低下とも戦うことになります。不安で眠れない夜が続きます。ですが、今作では若い助っ人に助けられることになるんです。10歳の少年にね。ははは。少年は非常に活動的で、シャーロック・ホームズが失った生命力と、決意を持っているのですよ。そう、この作品は感動的な物語です」。

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