斎藤工、成海璃子×池松壮亮共演「無伴奏」の現場は「私の理想とする空気」
2016年2月15日 12:00
[映画.com ニュース] 直木賞作家・小池真理子氏の半自叙伝的小説を矢崎仁司監督が映画化した「無伴奏」の本ビジュアルが完成し、メインキャストの成海璃子、池松壮亮、斎藤工、遠藤新菜が撮影現場の様子や、作品への思い入れを語った。
学生運動が盛んだった時代を生きる若者たちの恋愛を描いた作品。仙台に住む女子高生の野間響子と、響子がクラシック喫茶で出会い恋焦がれる堂本渉を池松、渉の友人・関祐之介を斎藤、祐之介の恋人・高宮エマをnon-noモデルとして活躍する遠藤が演じた。
遠藤とのラブシーンが話題を呼んでいる斎藤は、「丁寧っていう言葉が一番ふさわしい現場でした。皆の姿勢が“映画”だなっていう、私の理想とする空気でした」と振り返る。「それぞれの化学反応みたいなものが実際にあった」と語り、「実際あったものがそのまま作品に投影されていたらいいなと思います」と期待を込めた。
女としての性に目覚めていく女子高生役で新境地を開拓した成海は、撮影当時は22歳で、脚本を読み「高校生の響子は青くて、ちょっと照れくさくなってしまう」部分もあったというが、「すごく大きなものを背負う役でもあったので、気合いを入れる感じで『やったろ』っていう気持ちで撮影に挑みました」と述懐。「自分自身の感情が湧き出るような豊かな現場でした」と充実感を漂わせた。
これまでに「愛の渦」「海を感じる時」といった野心作に出演してきた池松は、「見ている人からすれば『また池松脱いだ』だなと思って、一回断ってしまいました」と告白する。「けれど、矢崎さんも、成海さんも、みんな勝負に出ているわけですよ。それを考えたら、こりゃ待てよ、ちゃんと決着つけなきゃいけないと思って、出演を決めました」と参加を決断した経緯を明かす。女優としてのキャリアが2年ほどの遠藤は、泣くシーンで涙が出ずNGを重ねた時、成海と池松に励まされ、「支えてくれて同じ立場に引き込もうとしてくれるっていうことに安心して、戻ったテイクは一発でOKでした」と振り返った。
「無伴奏」は3月26日から東京・新宿シネマカリテほか全国で公開。