「ゴダールスタイルトーク」開催 映画ライターらが語るゴダール作品のファッション
2015年1月20日 14:00

[映画.com ニュース]ジャン=リュック・ゴダール監督最新作「さらば、愛の言葉よ」の公開を記念し1月19日、東京・シネスイッチ銀座で、ゴダール監督の長編処女作「勝手にしやがれ」の上映イベントが行われた。上映後は映画ライターのよしひろまさみち氏とマガジンハウス「an・an」編集部の川端寿子氏がゴダール作品のファッションとライフスタイルについて語るトークショー「ゴダールスタイルトーク」が開催された。
ヌーベルバーグ誕生の記念碑と言われる1959年製作の「勝手にしやがれ」は、ジーン・セバーグ演じるアメリカからの留学生パトリシアと、ジャン=ポール・ベルモンド演じる自動車泥棒のミシェルの恋と逃避行を描いたドラマ。即興演出など数々の手法が当時の劇映画の既成概念を打ち壊し、その後の映画界に多大なる影響を与えた。ショートへアのセバーグが着こなすボーダーのワンピースやカットソー、Tシャツやサングラスの着こなし方は、長年ファッション誌でも取り上げられている。
「勝手にしやがれ」にちなみ、ボーダーの服を来て来場した川端氏は「今年の春はボーダーが来ているので、映画の中に登場するようなコーディネートも着られますよ」とトレンドについて触れ、「ゴダールの映画には、女の子のクローゼットが出てくるシーンが多いんですが、同じ映画の中でいろいろなスタイルが見られるというのも特徴。名作というのはフォトジェニックで、ファッションも不動のものがある」と語る。
女性誌では映画をファッションという切り口で取り上げることが多いが、よしひろ氏は「『プラダを着た悪魔』が代表的ですけど、有名ブランドがタイアップしていたり、有名スタイリストが衣装をやっていたり。けれどヌーべルバーグの映画はノンブランド、だけどオシャレに見える。フランスの一流メゾンって、最初映画を俗っぽいものとして遠ざかろうとしていたんです。ファッション的にゴダールの映画やフランス映画を見ると、ブランドとノンブランドの組み合わせとか、その自然体がかっこいい。そこに私たちはひかれているのかなと思います」と分析する。
ゴダール作品のファッションには両氏共に影響を受けているそうで、「わたしはアンナ・カリーナの赤いニットがすごく好きで、3~4年に1回はブームが来ます」(川端氏)。よしひろ氏は「昔女装して遊んでいた時代に『軽蔑』のブリジット・バルドーの真似して髪をアップにしてすごいつけまつげとかしてました。でも解ってもらえず『それ和田アキ子でしょ!』って言われる始末ですよ(笑)」と苦い思い出を明かして笑いを誘った。
ゴダール監督が初の3Dに挑戦した新作「さらば、愛の言葉よ」については「もう一度今までのゴダール映画を復習したくなるような映画でした。どこを切り取っても絵になるのは今も変わらないし、写真集を見ているような美しさ!」(川端氏)、「80歳をすぎて3D映画を撮ったってことそれだけでもう粋。わたしはゴダール先生からの挑戦状なんだと受け取りました。感覚で見るものなんだなと。色彩は蜷川実花の写真集みたい。それが3Dで迫ってくるんですよ(笑)小難しく考えちゃうといくらでも考えられると思う、でもビジュアルの素晴らしさ、インスタレーションを見る感覚で見てほしい」(よしひろ氏)と感想を語った。
「さらば、愛の言葉よ」は1月31日からシネスイッチ銀座ほか全国公開。
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