前田敦子、2014年を総括 あらゆる「縁」に感謝し、さらなる飛躍誓う
2014年12月31日 08:00

[映画.com ニュース] 女優の前田敦子が、挑戦の年となった2014年を終えようとしている。今年は1月11日に公開された「Seventh Code」(黒沢清監督)を皮切りに、「エイトレンジャー2」(堤幸彦監督)、招き猫役として声優出演した「神さまの言うとおり」(三池崇史監督)と映画3本が封切られた。さらに、7月7日からは蜷川幸雄演出作「太陽2068」で舞台初出演。積極果敢に女優業をまい進した前田がこのほど、東京・恵比寿の映画.com編集部を訪れ、1年間を振り返った。
前田が20代後半を迎える5年後、ターニングポイントとして14年が改めて注目を浴びる事があるかもしれない。7月7日、23歳の誕生日を目前に控えた前田は、東京・渋谷のBunkamuraシアターコクーンで「太陽2068」の舞台に立っていた。映像作品とでは声の出し方が全く異なるため、1カ月弱の公演期間はもちろん、稽古も含め筆舌に尽くし難いほど多くのものを得たことは想像に難くない。
「舞台のおかげで、カメラの前でも声を出すことに抵抗がなくなりました。バラエティや映像作品でも、言葉につまるということも、声が引っくり返るということもなくなったんです。昔は普通に話していても引っくり返る事が多かったのですが、まずは発声練習をやらせて頂いてからお稽古に入り、舞台に立つまでに約2カ月半、声というものと向かい合ったおかげですね。女優の世界で生きていくうえで、大事なものを勉強させていただきました」。
リラックスした面持ちで話す前田は、大好きな映画について話題を振ると、さらに瞳を輝かせる。今年は全くタイプの異なる3作品が封切られた。それぞれの監督と過ごした撮影現場は、成長を続ける前田の心の琴線に触れるものとなったようだ。
「映画の現場では控え室には戻らずに、基本的にはベースにいるんですけど、黒沢監督は一緒にいるだけで勉強になる方でした。発言すべてを拾いたくなっちゃって、常にお話に耳を傾けたくなるんです。堤監督は『楽しくなければ意味がない』って言ってくださる方。盛り上げ上手ですし、ユニークな発想をお持ちですから、監督の人生経験を聞けるだけで楽しい。三池監督も素敵な方ですよね。現場にお邪魔させて頂いた時に、『若い子たちを見ていて昔と今とでは変わってきている。その流れに身を任せているんだ』とおっしゃっていて、すごい! と思いました。自分色に染めるのではなく、自分から染まりにいこうとされている方」。
さまざまな現場で多くのキャスト、スタッフと触れ合いながら役を生きてきた前田。1年を端的に表現すると「『縁』ですね。たくさんご縁がありましたから」とほほ笑む。それでも、反省点も多々あるようで「人といる機会がすごく多かったので、もう少しひとりの時間を作ればよかったかなと思います。お話することのできる人が増えたという喜びはもちろんあるのですが、自分と向き合う時間が必要だったんじゃないかなと感じているんです。来年は1カ月ほどお休みを頂けそうなので、一人旅に行って来ようと思っているんですよ」と明かし、筆者に旅のプランを披露してくれた。一人旅から戻った前田が、銀幕の世界でさらに躍動する姿を多くのファンが心待ちにしているはずだ。
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