唐沢寿明、“日本のシンドラー”杉原千畝演じる!「まさに僕がやるべき役」
2014年10月30日 05:00
[映画.com ニュース] 日本を代表する俳優・唐沢寿明が、第二次世界大戦中に多くのユダヤ難民の命を救った外交官・杉原千畝さんの壮絶な半生を映画化する「杉原千畝 スギハラ チウネ」に主演し、タイトルロールに挑んでいることがわかった。クランクインしている唐沢は、「杉原千畝は外務省からの了承のない中でユダヤ人にビザを出し続けた方ですが、今回の映画はそれに加えて今までにあまり知られていなかった事実も描かれています。『正義の人』で、まさに僕がやるべき役じゃないでしょうか(笑)」と意気込んでいる。
1900年生まれの杉原さんは第二次大戦中、リトアニア領事として日本政府に背き、ユダヤ難民にビザを発給し続け6000人の命を救ったことから「日本のシンドラー」と呼ばれている。映画が公開される2015年は終戦後70年ということもあり、節目の年にふさわしい作品にすべく日本、ポーランド、ハリウッドの混成チームがタッグを組み、ポーランド全土での撮影を敢行している。本編に登場する舞台は東京、ワルシャワはもちろん、カウナス(リトアニア)、ブカレスト(ルーマニア)、ベルリン(ドイツ)、ウラジオストク(ロシア)、ソビエト連合、満州国、アメリカなど、規格外のスケールだ。
メガホンをとるのは、唐沢がスキンヘッド姿で熱演した「太平洋の奇跡 フォックスと呼ばれた男」でUSユニット監督を務めたチェリン・グラック監督。「ブラックレイン」や「トランスフォーマー」など、ハリウッド大作で長年にわたる助監督時代に培ったノウハウを生かし、国際色豊かなキャスト、スタッフをまとめあげる。
映画では、混乱の極みにあった世界情勢下で、インテリジェンス・オフィサー(諜報外交官)として危険な諜報戦に身を投じ、日本へ情報を発信し続けた千畝の“信念”も描かれる。唐沢は、「この映画の中には、激動の時代を生き抜く過酷さや、ある種の感動、そして愛など、いろいろな要素が詰まっています。だからこそ、若い世代からお年寄りまで見て頂きたい。戦争を知らない世代にもエンタテインメントを通して、戦争とはどういうものなのか、人種差別とはどういうものなのかを、これからも忘れないように見て頂ければ嬉しいです」と語っている。
また、天真爛漫な千畝の妻・幸子に扮するのは小雪。唐沢とともに撮影に臨んでおり、「実在の方を演じるのはプレッシャーもありますが、杉原千畝を知らない方や世代にも伝えていかなければならない。私たちが演じることで作品にエネルギーを吹き込み、(幸子の)人生のエッセンスをうまく表現できたらと思います」とコメントを寄せた。さらに、ポーランド本国で絶大な人気を誇り、モントリオール世界映画祭で最優秀男優賞に輝いたボリス・スジックが千畝の右腕ペシュ、アグニシュカ・グロコウスカ(「ソハの地下水道」)が千畝に密かな思いを寄せる女性イリーナに息吹を注ぎ込む。ほか、濱田岳、塚本高史、滝藤賢一、小日向文世が日本勢として脇を固める。
撮影は、11月上旬にクランクアップを予定している。
「杉原千畝 スギハラ チウネ」は、2015年秋に全国で公開予定。
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