ジブリ最新作「思い出のマーニー」完成、宮崎&高畑“両巨頭”も大絶賛!
2014年7月2日 17:40
[映画.com ニュース] スタジオジブリ最新作「思い出のマーニー」(米林宏昌監督)の完成報告会見が7月2日、都内で行われた。宮崎駿監督と高畑勲監督が一切かかわらない初めてのジブリ作品。すでに“両巨頭”は本作を鑑賞しているといい、プロデューサーの西村義明氏が「麻呂(米林監督の愛称)はよく頑張った。1+1が5になる男だとわかった」「今後、じじいが去ったジブリのエースともてはやされるはず。祝福したい」と宮崎監督、高畑監督が寄せた絶賛コメントを紹介。米林監督は「本当にうれしい。励みになります」と安どの表情だった。
米林監督にとっては「借りぐらしのアリエッティ」以来4年ぶりの作品。「当時は達成感もあったが、時間が経つうち反省点も見えてきた」と2度目のメガホンをとろうと決意した経緯を説明し、「原作は会話劇がメインでアニメ向きではないと思い、一度はお断りした」。それでも「完成した今はホッとしているし、良い映画ができたので、作ってきて良かったと思う」と自信を示した。
イギリスの作家ジョーン・G・ロビンソン氏による同名児童文学を、北海道に舞台を置き換え映画化。札幌から療養のために釧路に暮らす親せきに預けられた少女・杏奈と、海辺に佇む“湿っ地屋敷”に暮らす金髪の少女・マーニーがひと夏を過ごし、ある秘密を分かち合う姿が描かれる。
高畑監督の8年越しの大作「かぐや姫の物語」に続き、プロデュースを手がけた西村氏は「不安もあったが、自信を持って力強い作品ができたと言える。『風立ちぬ』も『かぐや姫』もおじいちゃんだから完成できた作品。今回は12歳の少女を主人公にした映画で、麻呂さんをはじめ親世代の人間が、子どもを思って作った。ぜひ親子で楽しんでほしい」と本作への思いを語った。
会見には米林監督と西村プロデューサーに加えて、本作の“Wヒロイン”を担う高月彩良と有村架純、共演する松嶋菜々子、寺島進、根岸季衣、森山良子、黒木瞳、主題歌を歌うプリシラ・アーンが出席した。主人公・杏奈を演じた高月は「完成した映画を見て、夢じゃなかったと実感した。五感が敏感になり、風、音、匂いの美しさを感じる映画だと思う」。マーニー役の有村は「見終わった後は、感動で席から立ち上がれないほど。プレッシャーもあったが、今では自分にとって宝物」と感無量の面持ちだった。
「思い出のマーニー」は、7月19日から全国で公開。