高良健吾&尾野真千子「きみはいい子」映画化で呉美保監督とタッグ!
2014年6月20日 05:00
[映画.com ニュース] 俳優の高良健吾と尾野真千子が、呉美保監督の最新作「きみはいい子」に出演し、初共演を果たしていることがわかった。主演の高良は新任の小学校教師、ヒロインの尾野は愛娘に虐待を加える母親という役どころに挑む。
「きみはいい子」は、第28回坪田譲治文学賞に輝いた中脇初枝氏の同名小説が原作。誰かが発するたったひと言、ほんの少しの思いやりが生むかもしれない光を描いた短篇集。うち、映画では「サンタさんの来ない家」「べっぴんさん」「こんにちは、さようなら」に焦点を当てる。
同作が扱うのは幼児虐待、虐待の連鎖、ネグレクト、いじめ、学級崩壊など。家庭、学校、地域から「絆」や「思いやり」が希薄になっていく社会にあって、簡単に答えの出ない問題に真正面から向き合い、メガホンをとるのが呉監督だ。第38回モントリオール世界映画祭ワールドコンペティション部門への出品が決まった「そこのみにて光輝く」でタッグを組んだ高田亮が、今作でも脚本を手がけた。
高良が演じる岡野匡は、何不自由ない家庭で育ったまじめな青年。学年主任から言われた通りの対応で子どもたちと接するが、やがて学級は崩壊してしまう。また、虐待を受けている可能性のある生徒の存在を認識していながら、多忙を理由に見て見ぬふりをしていた自己嫌悪に陥るが、勇気を振り絞ってその生徒に手を差し伸べようとする役どころだ。
一方の尾野は、母親から虐待を受けて育ったことが起因し、3歳になる自らの娘あやねに暴力をふるってしまう雅美に扮する。愛する夫が海外に単身赴任してしまい、あやねが10カ月の時から虐待がやめられなくなる。公園で“ママ友”たちとは笑顔で接しながら、自分と同じように家では虐待をしているに違いないと想像し、自らの行いを肯定するという難役に臨む。
撮影は6月下旬、北海道小樽でクランクインを予定している。
「きみはいい子」は、2015年に全国で公開予定。