二階堂ふみ、念願の熊切和嘉監督作「私の男」は「運命的な作品」
2014年6月2日 20:45

[映画.com ニュース] 人気作家・桜庭一樹氏の第138回直木賞受賞作を映画化した「私の男」のプレミア試写会が6月2日、都内の劇場で行われ、主演の浅野忠信と二階堂ふみ、共演の高良健吾と藤竜也、熊切和嘉監督が舞台挨拶に立った。
北海道の雄大な自然を舞台に、10歳で孤児になった少女(二階堂)と彼女を引き取った遠縁の男(浅野)が、孤独を埋め合うようにして禁断の愛に生きる姿をセンセーショナルに描く。撮影時から「問題作にする」と断言していたという熊切監督は、「日本映画が避けがちな題材だけど、文学では描かれているので映画も負けていられない。匂い立つような、映画ならではのアプローチを意識した」と気合十分だった。
浅野は40歳という節目の年を迎え、「個人的に30代は大変な時期だった。役者として苦手なことをどう克服するのか、得意なことをどう伸ばすのか。40歳になったらやりたいことをイメージすることも多く、この台本を読んだ時にすぐにでもいけると思った」と全身全霊で挑んだ。
中学生の時に原作を読んでいたという二階堂も、「熊切監督にお会いした時から、直感的に運命的なものを感じていた。熊切監督の現場に行けるってことだけで幸せに感じたのを覚えている」と念願の熊切組参加を果たした。高良も、「熊切監督の作品はずっと昔から見ていて自分から出たいと思っていたので、やっと誘っていただけてうれしい。現場では熊切さんから湯気が出ていた。カッコイイ」と敬愛していた。
大島渚監督作「愛のコリーダ」でタブーに挑んだ藤は、「やっぱりタブーとかスキャンダラスなものは見たいよね。最近は人の良いじいさんばかりだけど、悪いじいさんもやりたい(笑)」と本音をポロリ。二階堂や高良ら若手実力派との共演も「新しい才能の現場はうれしい。勉強ばっかりしている。僕まだ伸びますからね」と冗談交じりに語った。本作はモスクワ映画祭コンペティション部門への出品が決定しており、熊切監督は「新藤兼人監督の『裸の島』など、人間の業を描くイメージがある映画祭。とてもうれしい」と喜びを語った。
舞台挨拶には、映画の舞台となった紋別のゆるキャラ「紋太くん」も駆けつけ、今年着氷したという流氷を登壇陣に進呈した。「私の男」は6月14日から全国で公開。
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