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渡辺謙「GODZILLA」に確かな手応え「ゴジラに国境ない、世界中に愛されている」

2014年5月10日 05:00

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妻の南果歩と「GODZILLA」 ワールドプレミアに出席した渡辺謙
妻の南果歩と「GODZILLA」 ワールドプレミアに出席した渡辺謙
(C)KaoriSuzuki

[映画.com ニュース]日本を代表する俳優の渡辺謙が5月8日(現地時間)、米ロサンゼルスのドルビーシアターで行われた出演作「GODZILLA」ワールドプレミアの上映後、メガホンをとったギャレス・エドワーズ監督とともに報道陣の取材に応じた。世界初お披露目となったが、観客の反応を「こっちの人はすごくストレートに反応してくれます。『待ってました!』みたいなね。エンタテインメントを楽しむすべを知っていますよ」と明かした。

今回のゴジラは、54年の初代ゴジラ推定体長(50.3メートル)の倍以上となる、過去最大の108メートル(約355フィート)におよんだ。幼少期からゴジラを愛するエドワーズ監督がビジュアル面でもこだわり、頭部のフォルムや背びれなど、往年のファンをもうならせる勇姿を再現してみせた。渡辺は、「作っているときは、僕らの大事なアイコンをハリウッドの職人たちがどう作ってくれるのかと思っていた。完成した映像を見て、ゴジラには国境がないんだ、世界中から愛されているんだと実感しましたね」と笑みを浮かべた。

ゴジラに並々ならぬ愛情を注ぐエドワーズ監督は、「製作する際に東宝から5つの注文があったのですが、私にとっては問題がなかった。なぜなら、自分で50のルールを作っていて、東宝が出してきたルールと一致していたから」と振り返る。また、「テーマを『人間はコントロールできないものを扱うべきじゃない』というものにしたんだ」と話したが、今作には現代の日本が抱える原発問題をはじめ、津波の描写も含まれる。

渡辺は「それがないと、ゴジラがよみがえる意味がない。僕らがいま抱えている問題、恐れがこの映画に反映されているからこそ、高いハードルだとは思ったけれど挑戦したいと思ったんです」と出演を決意した経緯を説明する。さらに「もちろん、皆さんに楽しんでもらいたいという気持ちがあります。そのうえで、ただの怪獣映画ではないというところに強くひかれたんです」と、今作の人間ドラマとしての完成度の高さについて語った。

また、英語では「ガッジーラ」と発音するくだりで、渡辺は「ゴジラ」と発音している。撮影中にエドワーズ監督と話し合ったそうで、「ちょっと戦ったんですよ。『お客さんのためにも英語っぽく言えないかなあ』と相談されたんですが、僕は日本人として絶対にイヤだと頑なに拒否したんですよ」とこだわりに触れ、「映画史に残る名場面だった」と振り返るエドワーズ監督とともに笑いあった。この日の上映では観客も認識していたようで、「いかにゴジラとして認知してもらっているかですよね」と確かな手ごたえを感じている様子だった。劇場で観賞した佐野も、「ゴジラと言ってくれて、日本人として感謝している」とコメントを寄せた。

同作は、ゴジラ映画としては初の3D公開が採用され、臨場感あふれる奥行き、重厚感ある動きを実現するために762人のVFXデザイナーがエドワーズ監督の思いをくみ取り総力を結集させた。主演のアーロン・テイラー=ジョンソン、エリザベス・オルセンブライアン・クランストンのほか、ジュリエット・ビノシュ(「イングリッシュ・ペイシェント」)、サリー・ホーキンス(「ブルージャスミン」)、デビッド・ストラザーン(「グッドナイト&グッドラック」)、ブライアン・クランストン(「ドライヴ」「アルゴ」)ら、アカデミー賞受賞者、ノミニーが名を連ねている。

「GODZILLA」は、5月16日から全米3800スクリーン以上で公開。日本では、7月25日から全国で公開。

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