有村昆、リバー・フェニックスの魅力を分析
2014年4月22日 16:45
[映画.com ニュース] 1993年に23歳という若さで急逝した、俳優リバー・フェニックス“幻の遺作”「ダーク・ブラッド」の公開を記念し4月21日、都内の劇場で映画コメンテイターの有村昆と、映画パーソナリティの伊藤さとりによるトークイベントが開催された。
「僕の愛する妻・丸岡いずみも71年生まれで、リバーと同世代なんですよね。『今日はトークショーがんばってきて!!』と送り出されました」という有村は、「最初に見たリバー・フェニックス作品は、やっぱり『スタンド・バイ・ミー』。あとは『インディ・ジョーンズ 最後の聖戦』で、インディの若い頃をリバーが演じていてカッコ良かったですねえ」と述懐。「男の目から見ると、リバーの魅力は、彼の生きざまだと思うんですよ。メジャーに屈しない生きざま。スターになるほど、自分は俳優をやりたいのに、どうしてもビジュアルを求められてしまう。そのはざまですごく苦しみつつ、それでも『マイ・プライベート・アイダホ』や『ダーク・ブラッド』のような、主張のある作品を選んで出ている。自分の考えにブレない魅力を感じますね」と、フェニックスの魅力を分析した。
日本で世界初の劇場公開を迎えることになる「ダーク・ブラッド」は、重要なシーンの撮影を残したままフェニックスが急死ししたため、長らく未完の状態が続いた作品。しかし07年に、監督を務めたオランダの名匠ジョルジュ・シュルイツァーが75歳で余命宣告を受けたことから一念発起し、キャリア最後の作品として完成させることを決意。資金集め、権利問題のクリア、未撮影シーンの再現など、数々の問題をクリアすることに成功した。
「本当に『監督、作ってくれてありがとう』って、心から思える」と話す伊藤は、「セリフで説明する映画ではなく“感性で感じてほしい”映画に出たかったというリバーの思いを、すごく感じます」と解説。有村も「確かに“感じてほしい”リバーの思いは良く伝わってきますね」と返し、「この映画は、砂漠でひとりで暮らしているボーイことリバーのところに、ハリウッド俳優の夫婦がやってくる。その奥さんにボーイが恋するのですが、彼女を後ろから抱いて誘惑する場面がすごい! セリフは少ないのですが、セリフの“間”の部分に言葉にできない、なんともいえない感情がギュッと込められているんです。この映画は、未完成の部分を想像できる余地がたくさんあって、そこも素晴らしいなと思いますね」と見どころを伝えた。
「ダーク・ブラッド」は、4月26日から全国で順次公開。また、東京・渋谷のユーロスペースでは、「『リヴァー・フェニックス』フェス」と題し、5月3日から「アメリカンレガシー」(日本劇場初公開)、同17日から「マイ・プライベート・アイダホ」の出演作2本が合わせて特集上映される。
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