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河瀬直美監督、自身最高傑作「2つ目の窓」でパルムドール見据える「目指すしかない」

2014年4月18日 14:20

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カンヌとは縁の深い河瀬直美監督
カンヌとは縁の深い河瀬直美監督

[映画.com ニュース] 河瀬直美監督が4月18日、最新作「2つ目の窓」の第67回カンヌ映画祭コンペティション部門への正式出品決定を受け、製作を務めたWOWOW代表取締役社長の和崎信哉氏とともに都内で会見した。

河瀬監督は、「萌の朱雀」(97)でカンヌ国際映画祭カメラドール(新人監督賞)、「殯の森」(2007)で同グランプリを受賞し、昨年には日本人監督として初めてコンペティション部門の審査員も務め、カンヌとは縁深い。朗報を聞いた河瀬監督は、「非常に晴れやかな気持ち。あのカンヌの日差しの下に立てると思うと喜ばしい」と誇らしげ。昨年の審査員経験は、「作家としてもひとりの人間としても宝物をいただき、映画ってやっぱり愛がないとだダメなんだと強く感じた。映画とは、情熱や愛、あきらめることのない思いを捧ぐこと。小ちゃいとか大きいとか関係ない。この作品を撮っている時も、世界と勝負してるんだという思いだった」と語った。

奄美大島の雄大な自然を舞台に、16歳の少年少女の初恋と成長を通じ、自らの人生に真しに向き合う島の人々の姿を見つめた「2つ目の窓」。歌手のUAと俳優の村上淳を両親にもつ村上虹郎(にじろう)と新人女優の吉永淳が主演を務め、村上淳杉本哲太松田美由紀渡辺真起子榊英雄常田富士男ら実力派が脇を固めた。

河瀬監督は、「クランクインの最初のショットを撮った瞬間に、私の最高傑作になると思った」といい、「奄美大島の自然は世界一だと思うくらい美しい。朝日の神々しさ、満月の夜の神秘、そのどれもがフィルムに刻まれている。そこに少年少女の生命力。言葉では言い表せないのでぜひ映画を見てほしい」と並々ならぬ手応え。また、「感受性の強い若い世代に希望を持ってほしい。この世界は本当に素晴らしいんだということを感じてほしかった」と作品に込めた思いを語った。

さらに、「私の最高傑作であることは間違いない。こんなことを言うのは初めてのこと。最愛の義母が亡くなって、初めて何もない状態で作り上げた作品。カメラドール、グランプリと来て、その次はパルムドールしかない。形ある賞としては、それを目指すしかないと思っている」とパルムドールを視野に入れた。そして、「今年は18本がコンペにノミネートという、非常に狭き門だった。だけど狭き門の向こうには……(受賞の)確率は高くなったかな」と冗談を交えながら受賞に大きな期待を寄せた。

本作は、劇場公開前にWOWOWで一夜限りのプレミア放送(6月1日午後10時~)されることが決定し、和崎社長は「2007年に映画レーベル『WOWOW FILMS』を立ち上げ、上質な映画を製作してきた。この作品を少しでも多くの方に知っていただき、じわっと広めていきたい。劇場公開前に放送することに大きな壁はあったけれど、全面的に河瀬監督をバックアップしていきたい」と語った。

第67回カンヌ映画祭は5月14~25日まで開催。「2つ目の窓」は7月26日全国公開。

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