市川由衣、大胆な演技で新境地!「海を感じる時」主演で池松壮亮と熱烈タッグ
2014年3月27日 05:00

[映画.com ニュース] 女優の市川由衣が、中沢けい氏の小説を安藤尋監督が映画化する「海を感じる時」に主演し、新境地といえる大胆な役どころに挑んでいることがわかった。市川にとっては、「サイレン FORBIDDEN SIREN」以来8年ぶりの単独主演。少女から大人の女性へと変ぼうを遂げようとする主人公・恵美子を体現し、これまでのイメージを一新した姿を披露する。
1978年に中沢氏が18歳で第21回群像新人賞を受賞し、鮮烈な文壇デビューを飾った青春文学が、36年の歳月を経て映画化される。当時は現役女子高生が書いたスキャンダラスな作品として話題を呼んだが、愛を知らない少女がひとりの男と出会い、“女”へと目覚めていく姿を精緻な描写でえぐり取った作風は、いまなお高く評価されている。
市川扮する恵美子は、高校の新聞部で顔を合わせた先輩の洋(池松壮亮)からキスを迫られ、衝動的に体を預けてしまう。その後も愛を知らない恵美子は洋を求め、会うたびに自ら体を差し出す。月日はたち、東京で下宿生活を送る洋の近くにいたい一心で花屋で働く恵美子は、寄り添っては傷つき、反発しながらも会うたびに体を重ねていく。
荒井晴彦が執筆した脚本を読んだ市川は、「恵美子の女としてのどうしようもないもがき、痛さに、胸がしめつけられました。覚悟がいる役でしたが、女として、役者として、挑戦したいと思った」という。撮影は昨年12月に終了しており、完成した映像を見たそうで「私自身が自分の代表作だと胸を張っていえる作品になりました。女優人生において転機となるような大事な作品なので、たくさんの人に見てもらいたいです」と手ごたえを感じている様子だ。
また、初共演となった池松に対しては「本当に助けられ、生の感情をたくさん引き出してもらいました。本気にさせてくれるすごい役者さんで、洋が池松さんではなかったら私は恵美子でいられなかったと思います」と感謝しきり。一方の池松も、「今回は絶対に市川さんに勝ってもらわないと成立しないものだったと思いますが、完成した作品を見て何より市川さんが素晴らしく、改めて市川さんがこの役で良かったなと思いました」と最敬礼。さらに、「少女性と母性の両方をちゃんと併せ持った方で、それでいてどこか手が届きそうな、日常の先にあるような空気を身にまとった、すごく素敵な女優さんでした」とコメントを寄せた。
メガホンをとった安藤監督は、「恵美子というひとりの少女の、愛すること、泣くこと、傷つくことと傷つけること、見つめること、生きること、そのどれもがいとしく、せつない脚本でした。彼女を生きた人間で撮りたいと思いました」と製作意図を説明。市川と池松については、「市川由衣さんは恵美子を生きてくれました。愛し、泣き、傷つき傷つけ、見つめ、生きてくれました。池松壮亮さんは、そんな恵美子の傍らで、洋の弱さもずるさも引き受け、そこにあり続けてくれました。恵美子と洋が自分の目の前にいて、息をし、触れあっている。自分にそう確信させてくれるふたりでした」と絶賛している。
なお、2人のほか阪井まどか、高尾祥子、三浦誠己、中村久美が出演。
「海を感じる時」(umiokanjirutoki.com)は、9月13日からテアトル新宿ほか全国で公開。
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