ロバート・レッドフォード主演「オール・イズ・ロスト」監督が明かす観客への思い
2014年3月11日 18:05

[映画.com ニュース] 広大な大海原にたったひとり取り残された男のサバイバルを、名優ロバート・レッドフォードがほぼセリフなしで熱演する「オール・イズ・ロスト 最後の手紙」の監督と脚本を務めた俊英J・C・チャンダーが語った。
「(監督デビューする)ずっと前から、海洋スリラーを撮りたいと思っていた」と明かすチャンダー監督は、今作が長編2作目。2011年に、自身の脚本がアカデミー賞にノミネートされた「マージン・コール」(主演:ケビン・スペイシー)で監督デビューを果たし、レッドフォードが主催するサンダンス映画祭でも高い評価を受けている。
「しかし、『オール・イズ・ロスト』という独創的な作品が誕生するまでには、6年の歳月がかかった」と明かすように、登場人物はたったひとりで、さらにセリフがほぼないという映画化企画は、出資者にとって冒険といえる内容だった。「これは人生の晩秋に差し掛かったひとりの男が、4、5カ月の航海に出るというシンプルな物語だ。だが運命のいたずらで、ヨットが遭難する。映画は男の8日間にわたる生きるための闘いを描いているんだ」。
撮影では、「ヨットで出来うるあらゆることをやった」と振り返る。「我々はヨットを沈め、再び引き上げた。セーリングに出て激しい嵐に遭遇させ、ひっくり返し、再び沈めた。ヨットがいかに作動して進み、沈むのかについての深い理解力を持つことは不可欠だった。物語を引っ張っていく要素である、海で遭遇するさまざまな自然の猛威を理解するのと同じくらいにね」という発言が、全編が水上で撮影されたという過酷なロケを想像させる。当時76歳だったレッドフォードが水に沈み、嵐に揉まれ、「アーネスト・ヘミングウェイの『老人と海』に通じる」と監督が語る物語で、キャリアの集大成とも称される熱演を見せる。
レッドフォードの演技、映像、そして音響が渾然一体を成して、人が生きようとする“希望”を浮き上がらせる本作。チャンダー監督は「私が望むのは、観客がこの人物に自分自身の姿、せめて自分自身の一部を見出すことなんだ。希望や懸念、夢、悩み、恐怖といった人間的な特徴を体現する人物としてね」と言う。
そして、「彼が鏡の役割を果たしてくれればうれしい。もし私がきちんと(監督としての)自分の仕事をこなせていたら、観客もまた我々の男の旅路と同じように、この映画のことを恐ろしく感じたり、心を揺さぶられるものだと感じてくれるだろうし、それは同時に忘れられない体験になることだと思う」と思いを語った。
「オール・イズ・ロスト 最後の手紙」は、3月14日から全国で公開。
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