「ジョバンニの島」声優に市村正親、仲間由紀恵、八千草薫、仲代達矢ら豪華俳優陣

日本音楽事業者協会（音事協）創立50周年記念作品として、音事協が掲げる「プロジェクト21」のテーマでもある「21世紀に向けて、音事協ができる社会貢献とは何か」を熱考し、子どもたちに「忘れてはいけないこと」を伝えるべく製作される長編アニメーション。北方四島における実話をもとに、ソ連軍の進駐によって引き起こされる島民たちの過酷な運命を描き、アニメーション制作を「攻殻機動隊」シリーズや「ももへの手紙」で知られるProduction I.Gが担当。原作・脚本は「北の国から」の杉田成道、監督を「アタゴオルは猫の森」「宮本武蔵　双剣に馳せる夢」の西久保瑞穂が務める。

物語の舞台は1945年の色丹島。10歳の瀬能純平と7歳の寛太の兄弟は、父親の辰夫と祖父の源三とともに暮らしていたが、戦後、ソ連軍の進駐により島民たちの間に混乱と不安が広がっていく。兄弟の通う学校にも軍靴が響きわたり、やがて少年たちは家族との別れやロシア人少女との淡い初恋を経験していく。

兄弟の父で島の防衛隊長を務める辰夫を市村が演じる。役柄と同じく2児の父親でもあり、「主人公兄弟を自分の息子たちに置き換えてみたり、あるいは自分の子どものころを思い出したりして演じました」とアフレコを述懐。辰夫の幼なじみで純平の担任教師・佐和子役を務める仲間は、「私自身が戦後の空気を知らないこともあり、特に細かい緊迫感は現場で監督と会話をしながら演じさせていただきました。戦争が子どもたちにもたらす非情さを、改めて映画を通して感じることができました」とコメントしている。

また、時を超えた現代の純平を日本映画界の重鎮・仲代が演じ、「終戦当時、わたしは中学1年生で世の中の大転換に立ち会いましたが、多くのみなさんは戦後の平和しか経験していないなかで、この作品を通じて戦争はやってはいけないという思いを感じてほしいです」と思いを吐露。同じく現代の佐和子を演じる八千草は、「戦争はしてはいけないということを知りながら戦争はなくならない。小さな努力を積み重ねることが大事だと、作品を通じて思いました」と作品に接して感じた思いを明かしている。

そのほか、純平の家に住み込みで働く娘みっちゃんを柳原可奈子、辰夫の弟で兄弟にとっては叔父にあたる明るい性格の英夫をユースケ・サンタマリア、村長を犬塚弘が演じることが発表された。

主人公の兄弟はそれぞれ子役の横山幸汰くん（純平）、谷合純矢くん（寛太）が担当。祖父の源三役を演歌歌手の北島三郎がアニメのアフレコ初挑戦で演じることも決まっている。2014年2月22日全国公開。