「完全なる飼育」前川伶早、体当たりのフルヌードも「覚悟をしてやったこと」
2013年11月10日 12:06

[映画.com ニュース] 監禁する男とされる女の屈折した愛を描くシリーズ「完全なる飼育」の第8弾「TAP 完全なる飼育」が11月9日、東京・新宿ミラノで封切られ、主演の前川伶早をはじめ、西沢仁太、有森也実、尚玄、竹中直人、片嶋一貴監督らが初日舞台挨拶に立った。
この日は「歌舞伎町飼育監禁オールナイト」と題された上映イベントも行われ、99年の劇場公開以来14年ぶりのスクリーン上映となる「完全なる飼育」(和田勉監督)、第56回ロカルノ国際映画祭で特別大賞を受賞した「完全なる飼育 女理髪師の恋」(小林政弘監督)、今年10月に一周忌を迎えた若松孝二監督による「完全なる飼育 赤い殺意」といったシリーズを代表する3作品も上映された。
沖縄が舞台の本作は、若頭の愛人の子として生まれた女子高生・結(前川)と、結を更正させようと監禁に踏み切る冴えない中年ヤクザの設楽(西沢)の間に生まれる奇妙な“飼育関係”を描く。本作で映画初主演を飾った前川は、フルヌードにも果敢に挑み「はじめから自分で覚悟をしてやったことなので驚きはなかった。とにかく演じている間は必死で、感想も必死だったということしかない」と刺激にあふれた現場を振り返った。
冴えないヤクザ役を演じた西沢も、「常に全身あざだらけの役。『何だよ最近の若者は』という、オヤジと若い子のジェネレーションギャップの感覚を拡大して演じた」と役づくり。そんな西沢を、事務所の後輩・尚玄は、「目の敵にしてボコボコにやってしまう役。ふだんできないので、心を痛めながらやった」と申し訳なさげ。本シリーズのほとんどの作品に出演している竹中は、「いつも何も考えてない(笑)。小林政弘監督だけ北海道で、他はだいたい東京でのロケだったので、沖縄に行けるというのが楽しみだった」とあっけらかんと笑っていた。
片嶋監督は立ち見も出るほどの大盛況ぶりに、「こんな人気シリーズをやらせてもらって光栄だし、本当に感無量。一雫ライオンという変な名前の脚本家と一緒にストーリーを作っていって、これは西部劇だなと。西部劇の本質はフロンティア・スピリット」と狙いを語った。
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