幻のSF大作「DUNE」への情熱を追ったドキュメンタリー ホドロフスキーの感想は「It's perfect!」
2013年10月23日 14:40

[映画.com ニュース] 東京・六本木ヒルズで開催中の第26回東京国際映画祭ワールド・フォーカス部門に出品されているドキュメンタリー「ホドロフスキーのDUNE」が10月22日上映され、フランク・パビッチ監督がティーチインを行った。
「エル・トポ」「ホーリー・マウンテン」といったカルト作で知られるアレハンドロ・ホドロフスキー監督が企画し、実現しなかったSF大作「DUNE」製作への情熱を追ったドキュメンタリー。パビッチ監督は「キャストはダリやオーソン・ウェールズ、ミック・ジャガー、音楽はピンクフロイド。見たくない人はいないと思います。それが作れなかったということで、僕はなおのこと魅力を感じたのです」と製作の経緯を語る。
テレビ用のドキュメンタリーではなく、映画として製作した理由を問われると、「私は彼の作品の全てをDVDボックスで持っていますが、それを一度たりともプレイヤーに入れたことがありません。彼の作品をテレビの画面で見てしまうのは失礼に当たると思ったからです。彼の作品、そして映画は劇場で見ず知らずの方と時間と空間を共感するのが最善だと思うのです」とこだわりを説明する。
もし「DUNE」が実現していたら「大成功を収めて世界を変えていたか、大コケして世界を変えていた」といい、「1975年の段階で『DUNE』の製作費は1500万ドル、『スター・ウォーズ』でさえ700万ドル。これだけのお金をかけてコケたら、どのスタジオもSFに手を出さないと思います。『DUNE』がコケていたら『スター・ウォーズ』の製作も中止になっていて、それに追随するSF映画はなかったでしょう」と予想した。
ホドロフスキー監督は「DUNE」は自分の夢だと言い切り、並々ならぬ情熱を傾けていたので、パビッチ監督はこのドキュメンタリー製作に干渉されることを懸念していたそうだが、「僕の作りたいようにつくらせてくれて、一言も口を挟むことはありませんでした」と述懐。カンヌ映画祭で本作を鑑賞したホドロフスキー監督は涙をぬぐっていたそうで、感想を求めると「It's perfect!」という賛辞を受けたと明かし、客席からは大きな拍手が上がった。
第26回東京国際映画祭は、10月25日まで開催。「ホドロフスキーのDUNE」は2014年初夏公開。
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