ホドロフスキーのDUNE

劇場公開日:

ホドロフスキーのDUNE

解説・あらすじ

「ホーリー・マウンテン」「エル・トポ」などでカルト的人気を誇る奇才アレハンドロ・ホドロフスキー監督が映画化に挑んだものの、実現に至らず失敗に終わった幻のSF大作「DUNE」。フランク・ハーバートの「デューン 砂の惑星」を原作に、サルバドール・ダリやミック・ジャガー、オーソン・ウェルズ、メビウス、H・R・ギーガー、ピンク・フロイドら豪華スタッフ&キャストをそろえながらも、撮影前に頓挫した同作の驚きの企画内容や製作中止に追い込まれていった過程を、ホドロフスキー自身やプロデューサー、関係者へのインタビュー、膨大なデザイン画や資料などから明らかにしていくドキュメンタリー。

2013年製作/90分/アメリカ
原題または英題:Jodorowsky's Dune
配給:アップリンク、パルコ
劇場公開日:2014年6月14日

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映画レビュー

4.0ホドロフスキーと座禅を一緒に組んだ縁で観ました

2025年5月29日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

驚く

斬新

日本公開されたばかりの本作を見た(もちろん有料)。

上映館は渋谷の西北、統一協会本部の向かいという好立地。
小さな館内は8割程度の入りか、週末なので観客は多いのだろう。

予告編動画を見ればわかるが
あのデビット・リンチも失敗した「DUNE」を
リンチより先に手掛けようとして、失敗した事実を
現在の時点でインタビュー・構成した記録映画である。

特に絶賛するシーンはなかったが
それなりに面白かった。

氏の映画まで見る必要はないが、ある程度氏の
作品・言動をネットでおさらいしてから見に行くとなお面白いだろう。

氏は当時10代の息子さんをこの映画でデビューさせようとしたが
映画の製作中止で息子さんもデビューの機会を失ったようである。

映画では現在の息子さんもインタビューされているが
ポール・ニューマンを思わせるマスクで
デビューしていたら意外と人気者なっていたかもしれない。

ミック・ジャガー、ダリなど世界的有名人をキャスティングして
セットもカネなど気にせずに作ろうとしたのだから
スポンサーが降りるのも当然か。

名監督と言えども思い通りに映画を撮ることはできないことを
改めて理解いたしました。

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コーヒービート

3.0アレックス・ハードル名義で製作したら完成してたかも?!

2024年8月30日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

楽しい

単純

 カルト・ムービーの鬼才、アレッハンドロ・ホドロフスキー監督がSFファンタジー小説の金字塔『デューン/砂の惑星』の映像化に挑んだ顛末を振り返る異色のドキュメンタリー。
 言い換えるならば、「存在しない映画のメイキング」といったところか(なんかS・レムの書評『完全な真空』みたい)。

 豪華なキャストとスタッフを揃え(ホドロフスキー曰く「魂の戦士」)、ビジュアルアート・カタログのような分厚い企画書まで準備しながら実現に至らなかったホドロフスキー版『DUNE』。
 でも、企画が日の目を見なかったのは、常識的に考えれば当然の帰結。

 大手映画会社の担当重役から「ホドロフスキー監督って、どんな映画作ってるんだ?」と訊かれて、当時試写で用意できるのは、『エル・トポ』(1970)と『ホーリー・マウンテン』(1973)ぐらい。
 この二作品観てビッグバジェットに許可出したら、それは勇気・冒険などではなく、単なる無謀、無責任。

 ご覧になられた方ならわかると思うが、『エル・トポ』も『ホーリー・マウンテン』も、グロテスクで観念的な表現もさることながら、監督・主演・脚本・音楽を兼ねたホドロフスキーの手作り感満載。彼の経験と手腕でビッグネーム揃いのキャスト・スタッフを統率出来るかは、大きな不安材料になった筈。

 会社重役の役割は事業を成功させて利益をあげることにあるのだから、GOサインを出さなかったのは、正当な判断だったと言える。
 大ヒット作にS・ライミやP・ジャクソンのような異色の才能を起用する時代であっても、作品の完成は難しかったのでは?

 そもそも、独自の世界観を有するF・ハーバートの原作小説の映像化自体、当時はかなりの難事業。

 ホドロフスキーの挫折を受けて挑戦したD・リンチの作品も、はっきり言って成功とは言い難いし(ホドロフスキーが関わらなかったのに、皮肉にも、映画はカルトな仕上がりに)、続編を手掛けることなく、一本きりで「撤退」している。

 CGをふんだんに使える時代になって実現したD・ヴィルヌーヴの二作品でさえ、納得しない原作ファンは少なからずいると聞く。
 原作無視のホドロフスキーの企画が万が一実現したところで、原作ファンからの強い反感や、当時の技術的限界のもとでは、作品中で語られるような高い評価を勝ち得る作品が出来たかは、正直言って未知数。

 とはいえ、ポールの肉体が滅びたあとも、民衆が彼の精神を共有するという原作にはないくだりや、クリス・フォスやギーガー、メビウスらがイラストで具現化したイメージの数々を映像作品でぜひ楽しみたいと考えるのは、映画ファンの本能。

「魂の戦士」たちの多くが物故した今、当初の企画どおりの映画化は難しいかも知れないが、最新の映像技術を駆使すれば、リアルなアニメーション作品になら出来そうな気がするのだが?!

 今思うに、企画が実を結ばなかった要因のひとつは、やはりホドロフスキーの過去作品のシュールな印象にあった筈。
 だったら、彼の関与を伏せたうえで、マカロニ・ウエスタンの初期のクリエーターたちのように、アメリカ人ぽい偽名使ってオファーしていれば、ひょっとして完成にこぎ着けていたかも。

「アレックス・ハードル監督って、誰?」
「そんなことより、キャストとスタッフは一流揃いですから」
「じゃあ、OK」

・・・なんて、そんな訳ないですよね?!

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TRINITY:The Righthanded Devil

3.5ホドロフスキーの魅力

2024年8月25日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

楽しい

知的

これは、おもしろいねー
ホドロフスキー自体がおもしろいもの。
とても魅力的な人なんだな。
スクリーン越しにも、それが伝わってきて、
インタビューも、ぜんぜん飽きない。
もっと、お話し聞きたくなってしまいました。
この魅力をもって、いろんな優秀なスタッフたちが集まったのも納得。

そして、会社という企業が慎重になってOKしなかったのも、理解できる…笑

でも、観たかったなー。
タイトルに、“ホドロフスキーの”が付いた『DUNE』

こうなると、ホドロフスキーが失敗と言い放った
デビット・リンチのを観るべきか迷うところだ…。

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hkr21

4.0いつまでもこういう人が生きられる世であれ

2024年8月20日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

ホドロフスキーが魂の戦士を集め、『DUNE』映画化を志し、見事砕け散る物語。本人たちも言っていたが、このプロセスがすでに『DUNE』っぽいのよ。でも、監督すべき人がそこに入り込んじゃって戦士になっちゃったらフィクションは作れないのよね。/砕け散ったが、その破片が各地で花開いている。/デヴィッド・リンチ版について語るホドロフスキーの嬉しそうなこと!でも攻撃的ではなく無邪気そのものであるところが、この人の周りに人が集まる所以なんだろう。/私も好きなことしよーっと。

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ouosou