大ヒット!「そして父になる」是枝裕和監督、米リメイク決定でスピルバーグ監督と対談
2013年10月1日 16:00

[映画.com ニュース] カンヌ映画祭コンペティション部門で審査員賞を受賞した「そして父になる」(現在公開中)が、米ドリームワークスでリメイクされることが決定し、メガホンをとった是枝裕和監督は契約を締結するために渡米。ロサンゼルスで、同社を率いるスティーブン・スピルバーグと作品について語り合った。
福山雅治が主演した同作は、6年間育ててきた息子が、出生時に病院で取り違えられた他人の子だったという事実に直面した2組の家族の葛藤を描く。カンヌでの快挙に加え、スペインで開催された第61回サン・セバスチャン国際映画祭のPEARLS部門では観客賞を受賞、さらに世界230の国と地域での配給も決定。日本では9月28日に全国で封切られ、週末2日間で興行収入3億円を突破する大ヒットを記録している。
スピルバーグ監督はカンヌで審査員長を務めており、「僕はボロボロ泣いていたんだけど、審査員室に入って行ったら、他の審査員もみな涙していたんだよ」と述懐し、それから4カ月経った今でも「非常に高いレベルでのエモーショナルな感動」が残っている、と同作を絶賛。「リメイクさせてくれる決断をしてくれて、感謝しています」と述べ、是枝監督も「こちらこそ、スピルバーグさんが関わってくれること、とてもうれしいです」と喜んだ。
そして、子どもの演出について、是枝監督が「彼らのセリフを説明して、彼らの言葉で話してもらう」と説明すると、スピルバーグ監督は「僕も同じだよ! 『E.T.』の時にはそうやって子どもたちを演出したんだ!」と、共通点を見出した。さらに、福山演じる父親と、6年間ともに過ごした息子が2本の道を並行して歩くラストシーンは、ロケーションを決めてから脚本が書かれたと聞くと、スピルバーグ監督は納得した様子。なぜなら、自身がプロデュースする作品の監督にも「ロケーションは写真で決めず、きちんと自分の目で見ろと言っている」と明かした。
さらに、お互いに対する興味は尽きず、「シンドラーのリスト」では、白黒で撮影した時により黒く見える紫色の血のりが使用されたというエピソードが語られた。「ところで英語で映画を作る気はないの?」というスピルバーグ監督に対して、是枝監督は「興味はあるけど、言葉ができないのでハードルが高いんですよ」。すると、スピルバーグ監督は「友人のチャン・イーモウは、英語を全く話さないけれど、クリスチャン・ベールの目を見て判断していたよ(注:日本未公開作「The Flowers of War(英題)」のこと)。大丈夫だよ、できるよ」と後押し。これには是枝監督も、「勇気づけられました。がんばってみようかな」と励まされたようだ。
最後に、「リメイクはアメリカの文化にあわせて好きに作ってください。オリジナルのことはあまり気にせずに」と、是枝監督から作品を託されたスピルバーグ監督は、「この作品のテーマは世界共通のものだから、いいものになるよ!」と自信をのぞかせた。「撮影のときには、ぜひ現場に来てください! モニター横に座って指示を出してくれてもいいですよ」とのリクエストに、是枝監督も「ぜひ、うかがいます!」と応じた。
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