映画を超えた!? 名作がずらり チェコの映画ポスター展開催
2013年8月25日 10:00
[映画.com ニュース] 東京・京橋の東京国立近代美術館フィルムセンターで8月28日から開催される展覧会「チェコの映画ポスター テリー・ポスター・コレクションより」に先立ち24日、同館で内覧会が行われた。
展覧会では、プラハの映画ポスター専門ギャラリー「テリー・ポスター」が所蔵するポスターの中から、1950年代後半~80年代までに制作されたチェコスロバキア時代の映画ポスター82点を紹介。60年代に「チェコ・ヌーヴェル・ヴァーグ」と称されたチェコスロバキア映画のほか、日本映画ポスター、フェデリコ・フェリーニ、ジャン=リュック・ゴダールらをはじめとしたヨーロッパ映画、アルフレッド・ヒッチコック作品やジェーン・フォンダ主演のカルト作「バーバレラ」、「ターミネーター」などのアメリカ映画ポスターとバラエティ豊かな作品がそろう。
冷戦時代に紹介された日本映画では、山本薩夫監督や新藤兼人監督のような社会派の作品に人気が集まった。今回ポスターが紹介された新藤監督の「鬼婆」は、チェコで最も有名な日本映画のひとつだという。そのほか黒澤明監督作品や「ゴジラ」などが展示される。
チェコでは60年代からグラフィックデザインの盛り上がりを見せたそうで、アバンギャルドなデザインや優美さ、皮肉やユーモアを内包したものなど、映画とデザイナーの感性の融合が楽しめる。同館主任研究員の岡田秀則氏は、「チェコのポスターは映画を説明するものではく、ポスター作家が解釈したもの。映画の表現を凌駕するものもあるのがチェコポスターのおもしろさ」だと解説。「具体である映画と、ポスターの抽象を行き来する楽しさ、ポスターを見て映画を想像する楽しさがある」と展覧会の楽しみ方の例を挙げた。
8月31日には本企画に合わせて来日するテリー・ポスター代表のパべル・ライチャン氏による講演会が行われる。「チェコの映画ポスター テリー・ポスター・コレクションより」は、8月28日から12月1日まで。その後、2014年3月21日から京都国立近代美術館へ巡回する。
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