【全米映画ランキング】「Lee Daniels' The Butler」が首位デビュー。「キック・アス2」は4位スタート
2013年8月21日 10:00

[映画.com ニュース]サマーシーズンも大詰めの全米ボックスオフィス。3本の新作がランクインした先週末は、「プレシャス」「ペーパーボーイ 真夏の引力」で知られるリー・ダニエルズ監督の新作「Lee Daniels' The Butler」が、約2500万ドルのオープニング興収で首位デビューを果たした。
同作はホワイトハウスで34年にわたって8人の大統領の執事を務めた黒人男性の目を通して、アメリカ社会の移ろいを描いた歴史ドラマ。実在の執事ユージーン・アレン氏の半生をベースにしているが、作劇上の理由から製作陣は主人公をセシル・ゲインズという架空のキャラクターに設定し、大統領の名前などは実名のまま使用している。
出演は主人公の執事セシル・ゲインズにオスカー俳優フォレスト・ウィテカー、セシルの妻グロリアにアフロ・アメリカンを代表するセレブ、オプラ・ウィンフリー。また、歴代大統領にはロビン・ウィリアムズ(アイゼンハワー)、ジョン・キューザック(ニクソン)、ジェームズ・マースデン(ジョン・F・ケネディ)、リーブ・シュライバー(ジョンソン)、アラン・リックマン(レーガン)といった名優を配しているほか、ジェーン・フォンダ、バネッサ・レッドグレーブ、レニー・クラビッツ、テレンス・ハワード、ミンカ・ケリーら豪華キャストが集結した。
製作は2011年初頭、「スパイダーマン」シリーズで知られる大物プロデューサーの故ローラ・ジスキンさんによって始められたが、商業的成功が難しいアフロ・アメリカンの歴史ドラマということで資金集めが難航しているうちにジスキンさんが癌により亡くなってしまう。以降はジスキンさんのパートナーであるパメラ・ウィリアムスが指揮を執り、方々から資金を調達し、苦労の末にクランクイン。撮影中、ハーベイ・ワインスタインが全米配給権を獲得し、13年4月に完成。最終的にハリウッド史上最も多い41人のプロデューサー名(製作と製作総指揮)がクレジットされる珍しい作品となった。
批評家、観客の双方から好意的なレビューが多く、配給がアカデミー会員に強烈なキャンペーンを展開するワインスタイン・カンパニーということもあり、早くも賞レースに名乗りを上げた格好となっている。11年晩夏公開の黒人女性のコメディドラマ「ヘルプ 心がつなぐストーリー」のようにアカデミー賞授賞式まで息の長い興行になるかもしれない。
2位は先週2位の「ウィアー・ザ・ミラーズ(原題)」で10日間の累計は約7000万ドル。前週首位の「エリジウム」は3位にダウン。累計は約5500万ドルとやや苦しい興行となっている。
そして、約1350万ドルのオープニング興収で初登場4位となったのは、オタク高校生がヒーローとなり苦闘する姿を描いたアクション・コメディ「キック・アス」の続編「キック・アス2(原題)」。ヒーローの生活をやめて、普通の学生生活を送っていたデイブ(キック・アス)とミンディ(ヒット・ガール)の前に、前作で倒されたレッド・ミストが再び立ちはだかるというストーリー。興行、批評ともにやや期待はずれで苦しいスタートとなっている。出演はタイトルロールにアーロン・ジョンソンが再登板し、クロエ・モレッツ(ミンディ)、クリストファー・ミンツ=プラッセ(レッド・ミスト)も続投。その他、ジム・キャリー、モリス・チェスナット、ジョン・レグイザモらが脇を固めている。監督は「ネバー・バックダウン」のジェフ・ワドロウ。
また7位には、アシュトン・カッチャー主演でアップル・コンピュータの創設者の半生を映画化した伝記ドラマ「スティーブ・ジョブズ」がランクインした。
今週末はエドガー・ライト監督の新作SFアクションコメディ「ザ・ワールズ・エンド(原題)」に、アクション・ファンタジー大作「The Mortal Instruments: City of Bones(原題)」などが公開となる。
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