ペーパーボーイ 真夏の引力
劇場公開日:2013年7月27日
解説
「プレシャス」のリー・ダニエルズ監督が、米作家ピート・デクスターのベストセラー小説を映画化したサスペンス。1969年、フロリダで暮らす青年ジャックは、問題を起こして大学を追われ、父親の会社で新聞配達を手伝うだけの日々を送っていた。ある日、大手新聞社の記者で兄のウォードが、ある殺人事件の死刑囚にかけられた冤罪疑惑を取材するために帰省。ジャックはウォードの調査を手伝い、その過程で出会った死刑囚の婚約者で、謎めいた美貌の持ち主シャーロットに心を奪われる。殺人事件をめぐる複雑な人間関係に巻き込まれたジャックの人生は、大きく変わっていく。ミステリアスな美女にひかれ泥沼にはまっていくジャック役をザック・エフロン、兄ウォードをマシュー・マコノヒー、謎めいた美女シャーロットをニコール・キッドマンが演じる。
2012年製作/107分/R15+/アメリカ
原題:The Paperboy
配給:日活
スタッフ・キャスト
全てのスタッフ・キャストを見る

- ×

※無料トライアル登録で、映画チケットを1枚発行できる1,500ポイントをプレゼント。
一応はアメリカのディープサウスが舞台の青春映画なのだが、ペドロ・アルモドバルが監督する話があったというの納得の、非常に倒錯した(特に性的に)、そして従来のストーリーテリングをぶっ壊すイカれた展開だらけの怪作だ。もう出てくる俳優がいちいち怪演であり、特に囚人と獄中結婚した危うい美女を演じたニコール・キッドマンが夫である囚人のジョン・キューザックと面会するシーンは本当にヤバくて、劇中のザック・エフロンならずとも「いま一体何を見せられてんの?」と大いに狼狽するしかない。シンガーのメイシー・グレイも序盤から異様な存在感を発揮するんだが、実際のところは主人公の家の家政婦以上の役どころではなくて、いちいちどぎつい絵の具を塗りたくらずにはいられない作り手のこだわりを象徴しているように思う。とにかく青春映画でありミステリーでありひと夏の恋の映画ではあるのだが、その全部を足したところで普通の感覚ではこんな映画はできるわけがなく、「ホントなんなのコレ!?」と20回は言いたくなる最強のカルト映画のひとつだと思っている。
誰も救われない。サスペンスなのか?暑いと皆んな狂気に走ってしまうのか?暑苦しいが寒々する場面が沢山。アニタとジャックのやり取りと兄弟の微妙な関係はいい感じだった。
2020年11月24日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
ネタバレ! クリックして本文を読む
ストーリーはアメリカ南部で起きた殺人事件の真実の究明に乗り出すマシュー・マコノヒー、ザック・エフロンだが殺人犯役のジョン・キューザック、ブッ飛んだ婚約者のニコール・キッドマンの強烈な演技がストーリーを追い越す位、濃い。暑苦しい映画。
2020年7月21日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
夏だから、こうなった。童貞ジャックと女中アニタの関係がもっとも信頼できる仲だったけど、ビッチなシャーロットのおかげで意外なキャラ・人間関係が暴かれていくお話。誰が変態って、やっぱりジョン・キューザックとニコール・キッドマンでしょ!
暑い夏。人間の罪深さを曝け出し、救助のためとはいえ顔面おしっこする様子や刑務所での面会でも変態ぶりを発揮する・・・夏!夏だからこうなった。冤罪についての取材という設定もただの前振りにしか過ぎなかった序盤の展開。観終わって頭の中で整理しても、序盤では作者が社会派サスペンスを書こうと思ったに違いない。
兄ウォード(マコノヒー)の性癖や黒人の問題などにも切り込んで切り込んで、最終的には切り込みすぎの犯罪者を暴くといった謎の展開。沼地の住居はとにかく不気味。さらに不気味なおじさんも終盤見かけなかったということは、彼も切り刻まれてたのか・・・?
時代設定が1969年。ベトナム戦争も末期の頃だし、公民権運動も終わりに近づいていた頃で、そんな時期の猟奇殺人事件。水泳選手だったというジャックの伏線も生かされ、沼地から顔を出すなんてのは、フロリダでも『地獄の黙示録』があったのか!という笑うに笑えない終盤でした。