プレシャス
劇場公開日:2010年4月24日
解説
1987年のニューヨーク・ハーレムで、両親の虐待を受けながら希望のない日々を生きる黒人少女プレシャス。レイン先生に読み書きを習い、つたない文章で自分の心情を綴り始めたプレシャスは、ひたむきに人生の希望を見出していく。サファイアの小説「プッシュ」を、「チョコレート」で製作を務めたリー・ダニエルズが映画化。マライア・キャリー、レニー・クラビッツ、ポーラ・パットンらが出演。2009年のサンダンス映画祭でグランプリ、第82回アカデミー賞で助演女優賞と脚色賞を受賞した。
2009年製作/109分/R15+/アメリカ
原題:Precious
配給:ファントム・フィルム
スタッフ・キャスト
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お話は、ハーレムの最底辺の黒人の虐待あり近親相姦ありのかなりシビアでドツボな内容なのに、
滑稽なほどのおデブちゃん
時々挟まれる極楽な妄想シーン
そこにかぶるやたら陽気な音楽
のお陰で、コメディ的な明るさのある妙な味わいの映画です。
この脚本渡されて、こんな仕上りにする監督のセンスは相当なもんです。
しかし、マライヤ・キャリー選手とは見終わって解説読んで初めてしった。凄く印象的だと思ってたので我ながら慧眼。
先生も同級生もみんなアッケラカンとしてて救われます。
2020年11月20日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD
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母親のボーイフレンドにレイプされて、2人の子供を産んだプレシャス。
「そんなことあるか?」と思ってしまうけど、そこにリアリティを吹き込むのが母親を演じたモニーク(アカデミー助演女優賞受賞)。
プレシャスの淡々とした演技と、現実逃避するシーンだけでもこの映画の伝えたいことは伝わるけど、母親がソーシャルワーカーの前で吐き出した話でこの映画は一気に厚みを増す。
あり得ないと思ってしまう。
でも、この世界にはこういうことがあるんだと思う。
他にも、マライア・キャリーがすっぴんに近いメイクでいい演技してたり、レニー・クラヴィッツがやっぱりかっこ良かったりと、見どころ満載。
いろんな意味で、見て絶対損はしない映画。
2020年7月28日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
最初はデブの黒人女が主人公か・・・などと、スパイク・リーのような映画を想像していた。実際、根底にあるテーマは同じなんだろうけど、血なまぐさいシーンもなく、ハーレムにいる素朴な少女たちの切なさが伝わってくる作品。
働き口を探すでもなく、生活保護を受けるために小賢しい策を講じる母親(モニーク)。母親の恋人である男にレイプされ二人も子どもを産むこととなったプレシャス。プレシャスは幼児期の虐待や性的虐待を受け、読み書きすら出来なかったが、数学だけは得意だった。歌手になる妄想も随所に挿入され、コミカルでもあるが実はハーレムの悪環境からの現実逃避という彼女の心情を表している。
『ミラーズ』でも魅力的だったポーラ・パットンも最高。作文させることで個々と対面する教師像はまるで日本のよう。だから共感できるんだろうな。それにソーシャルワーカーの役で出ている女性がなかなかいいなと思っていたら、スッピンのマライア・キャリーだった!!なんだか好きになりそう(笑)。他に看護師役でレニー・クラヴィッツも出ている。
今まで暗く悲しすぎる話だと想像して、なかなか見れませんでした。
話の核は有り得ないくらい酷いドン底の話ですが、17歳の女の子が主人公で、それらしい空想や純粋な気持ちの視点で描かれていたり、頑張れよって応援したくなる気持ちのいい映画でした。
虐待を知ったら助けようと思った。その点でも映画は成功してますね。