韓国の新鋭リュ・スンワン監督、新作スパイアクションで描く北朝鮮の実態
2013年7月12日 13:00

[映画.com ニュース] 韓国を代表する俳優ハン・ソッキュと、「哀しき獣」で注目を浴びたハ・ジョンウが共演したスパイアクション「ベルリンファイル」。ベルリンで暗躍する北朝鮮諜報員が、韓国情報院エージェントに追い詰められ、巨大な陰謀に巻き込まれていく姿を映し出し、本国で観客動員700万人を突破した。「相棒 シティ・オブ・バイオレンス」「生き残るための3つの取引」などに続き、激しいアクションとドラマを融合させたリュ・スンワン監督が、本作について語った。
前作「生き残るための3つの取引」で、警察内部の腐敗をあぶり出したリュ監督が、今作で挑んだのは公私で揺れるスパイの苦悩だ。そして、北朝鮮と韓国の対立構造を描くため、アジアではなくベルリンを物語の舞台として選んだ。「この映画の登場人物たちの職業がNGOの活動家や、医療奉仕をしている人々だったとすれば、舞台は別のところになっていたはずです。でも、この映画は国家情報を扱う人々の話なので、彼らの活動舞台はベルリンが最もふさわしい場所だと考えたんです」。さらに、ベルリンと北朝鮮、韓国の政治や歴史上の接点にも触れる。「ベルリンは現在、北朝鮮の最も大きい大使館がある都市です。また、1980年代までは、韓国とドイツは冷戦と分断の2大象徴でした。そういった点がベルリンを選ぶ上で作用したのです」

“南北対立”というセンシティブなテーマと向き合う上で、最大の壁となったのは「私をはじめ、多くの人々が北朝鮮の実態や現実についてよく知らないということ」だった。「どうすれば歪曲せずに表現できるのか、ということが最も難しいポイントでした。多くのハリウッド映画で、アジアがおかしな描かれ方をしていることがあります。そういった失敗をしたくなかったんです」と振り返る。時に非公式な取材も敢行し、北朝鮮関連の専門記者、北朝鮮の情報を担当していた情報局員、脱北者らの協力のもと、「北朝鮮という閉ざされた国で生きている人々の物語」にアプローチ。幸運にも、本作のようなスパイ活動を行っていた人物との対面も実現し、北朝鮮の実態に触れた。
「我々製作サイドが最も大切に考えていた姿勢は、北朝鮮も人間が住んでいる場所であることを見失わないようにするということでした。北朝鮮の人々も感情を持ち、自分の考えで言葉を話す。自分の意志を持った人々が住んでいるということです。北朝鮮の描写をする上での大きな過ちのひとつが、少数の指導者によって機械的に生きている人々を描くことだと思うんです。それは、北朝鮮の実態というよりも、人々が頭の中に存在する機械的な世界です。今までは、そういう描写がされてきたように思います。この作品では、登場人物たちが北朝鮮出身の人々ではあるものの、政治的システムに焦点を置いたわけではありません。私にとって重要だったのは、そのシステムの中で生きている個人、そして個人と個人の関係なのです」
「ベルリンファイル」は、7月13日から全国で公開。
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