青山真治監督が田中慎弥の芥川賞受賞作を映画化「共喰い」特報が公開!
2013年4月26日 17:00
昭和最後の年の山口県下関市を舞台に、父とその愛人と川辺の町に暮らす高校2年生の遠馬のひと夏の物語。性行為の最中に相手を殴る父と同じ血を受け継ぎ、爆発しそうな性的欲求を抱えて生きる遠馬と、彼を取りまく女たちの関係を描き、暴力と性、人間の奥底に潜む闇をあぶりだす。荒井晴彦が脚本を手がけ、映画では原作にはないオリジナルのエンディングが用意されている。共演は木下美咲、篠原友希子、光石研、田中裕子ら。
映画製作時には「小説『共喰い』こそが一番だと私は思っています。勝負です」と挑戦状を叩きつけていた田中氏だが、完成した映画を見て「私が物語のクライマックス近くに書いた幻想的な場面を、映画は全く違う形で描いています。ここを見た時、ああ、やられた、と思いました」と悔しがりながら感想を語り、「小説の結末を越えたところまで、映画はすくい取ってくれています。それは実のところ、私も書こうとしていたことでした。思い切ってその手前で小説を終らせることで、作家としては達成感がありました。ですが映画はその先を追いかけて、大きな生命力へと到達する女たちを出現させました」と絶賛している。
特報は、蝉しぐれが鳴り響く夏の日、女性を平手打ちする父親の不敵な笑い声、そして女たちの横顔と苦悩する遠馬が映し出され、血と汗の匂いが画面からにじみ出すような仕上がりとなっている。
「共喰い」は9月7日新宿ピカデリーほか全国で公開。
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