「ライフ・オブ・パイ」アン・リー監督と本木雅弘がジャパンプレミアに出席
2013年1月16日 21:37

[映画.com ニュース]アカデミー賞11部門にノミネートされている「ライフ・オブ・パイ トラと漂流した227日」のアン・リー監督が来日し1月16日、日本語吹き替え版のボイスキャストを務める本木雅弘とともに、都内で行われたジャパンプレミアに出席。青く輝く幻想的なライトで照らされた、海の上に浮かぶ“ブルーカーペット”の上を歩いた。
イギリスのブッカー賞に輝いたヤン・マーテルの小説を、最新3D技術を駆使して実写化した本作。船が難破し、小型ボートにベンガルトラとともに取り残された少年パイの奇跡の漂流を描き出す。
寒空の下の屋外イベントにもかかわらず集まった多くのファンに、リー監督はうれしそうにほほ笑む。CGによる映像表現や、映画化の過程で目の当たりにした様々な苦労に触れ「これまでの私の挑戦の中でも最も難しいものであり、一番の大作。24カ国から3000人ものスタッフが集まり、4年の歳月を費やして完成させました。みなさんに楽しんでいただければ」と感慨深げに語った。
アカデミー賞では作品賞、監督賞、脚色賞など主要部門の受賞の期待も高まるが、「正直に言うと、この映画を作ることが本当に大変でしたので、完成させたことを大切に思っており充足感を感じています。だからその後の賞のことはボーナスのようなものです。ノミネートはうれしいですが、世界中で公開され、成功するとともに国ごとに違った反応で受け止められているということ、その反響が何よりうれしいのです」と、観客に思いを届けることを大切に考える哲学をのぞかせた。
波に揺れるブルーカーペットを歩いた本木は、「パイの経験したことを体験できたような気持ちですが、実は中にタイツを履いているので申し訳ない気持ちです(笑)」とユーモアたっぷりに語る。成長したパイの声を務める際し「繰り返し映画を見た」そうで、「何度かみしめてもジワリとくるものがあった」と感想を語った。また「ふだん映画を見るときは字幕派で、吹き替えに抵抗があったのは事実」と正直な思いを告白。「ファンから『声が違う』と言われるのではないか」と不安を明かしつつ、「イルファン・カーンさんの、抑えながらも感情があふれる深い演技が少しでも乗り移ればという思いでやりました」と真しに語った。
前日には大島渚監督の逝去が報じられたが、日本に到着し訃報に接したというリー監督は「悲しい知らせです。アジアの映画人に大きな影響を与えてくださいました」とその喪失の大きさを語り、本木も「20代のころビデオで『青春残酷物語』を見ましたが衝撃的でした。ご冥福をお祈りします」と言葉を続けた。
なお舞台挨拶では、スペシャルゲストとして人気子役のしずくちゃんがトラの着ぐるみ姿で登場し、監督と本木に花束を贈呈した。
「ライフ・オブ・パイ トラと漂流した227日」は、1月25日から全国で公開。
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