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原恵一監督の初実写作品「はじまりのみち」撮了 劇中写真も初公開

2012年12月5日 09:00

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病身の母(田中裕子)を抱き起こす惠介(加瀬亮)
病身の母(田中裕子)を抱き起こす惠介(加瀬亮)
(C)2013「はじまりのみち」製作委員会

[映画.com ニュース] 木下惠介生誕100年記念映画として製作される、原恵一監督の初実写作品「はじまりのみち」がこのほど、木下監督の出生地でもある静岡・浜松でクランクアップを迎えた。また、生誕100年を迎える12月5日、今作の劇中写真、メイキング写真が初公開された。

「二十四の瞳」「喜びも悲しみも幾歳月」「楢山節考(1958)」などの名作を精力的に発表し続けた木下監督の青年期に焦点を当てて描く今作に挑んだのは、数多くのアニメ作品を手がけてきた原監督。11月9日にクランクインし、主人公・惠介役の加瀬亮をはじめ母役の田中裕子、兄・敏三役のユースケ・サンタマリア、便利屋役の濱田岳らとともに浜松をはじめ長野、群馬、栃木、千葉などでのオールロケを敢行していた。最終日は、惠介が映画監督だと知らない便利屋と惠介が語らうシーンで締めくくられた。

今作は、戦時中に脳いっ血で倒れた母を疎開させるため、木下監督がリヤカーに乗せて山越えをしたという実話のエピソードが軸になる。また、血気盛んな映画青年として軍部ににらまれ、松竹を一時離れるきっかけとなった「陸軍」製作時のエピソードを盛り込みつつ、母を思う子、子を思う母の物語を丹念に描き出す。

映画.comが独占で入手した劇中写真は、疎開途中で旅館「澤田屋」に宿を求めることができた惠介ら一行の1シーン。リヤカーに乗せていた病気の母・たまを抱き起こす惠介の姿をとらえており、今作を象徴するカットといえる。ほか、指でフレームを作り景色を切り取る惠介のカットや、撮影現場でスタッフに指示を与える原監督の姿も公開されている。

これから編集作業に入る原監督は、「アニメと違って実際に撮るわけですから、天気や季節にはだいぶ悩まされましたね」と笑いながら振り返ったという。完成は2013年2月を予定。

はじまりのみち」は、13年6月1日から全国で公開。

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